辞める前に確かめること。辞めたあとに何が起きるか

介護の窓口 編集部公開 2026-08-22最終更新 2026-08-25

辞めれば時間はできますが、介護は終わりません。終わったあとの生活まで含めて考えてください。

辞める前に確かめる

  1. 介護休業・介護休暇・残業免除・短時間勤務を全部使ったか
  2. ケアマネジャーに「働き続けたい」と伝えて組み直したか
  3. ショートステイや小規模多機能型居宅介護を試したか
  4. きょうだいと分担を話したか
  5. 辞めたあとの収入と支出を書き出したか

5つ全部にやったと言えないうちは、辞める判断を保留にしてください。 順番が逆になると、戻れなくなります。

辞めたあとに起きること

収入が止まる以外に変わるもの
変わるもの中身
健康保険会社の保険を抜ける。国民健康保険か任意継続か扶養に入る
年金厚生年金から国民年金へ。将来の受給額が下がる
雇用保険介護のための離職は特定理由離職者に当たることがある
再就職離職期間が長いほど条件が下がりやすい
介護費用自分の収入が減ることで、親の分も含めた家計が苦しくなる
介護のために辞めた場合、雇用保険の給付が早く始まることがあります。 ハローワークで離職理由の扱いを確かめてください。自己都合として処理されると、待つ期間が変わります。

辞めると決めたなら

辞める日を先に決めて、その前に手続きを済ませます。 健康保険の切り替え、年金の手続き、ハローワークでの求職の申し込み。介護が終わったあとに働く前提で、資格や職歴が途切れない形を考えておいてください。

介護は終わります。 そのときに自分が何歳で、収入がどうなっているかを、いま紙に書いてみてください。それでも辞めると決めたなら、それは考え抜いた判断です。

辞める前に、落とせる段がある

働き続けるか辞めるかの二択にすると、限界が来た日に辞めることになります。あいだにいくつも段があります。

残業をやめる、深夜の勤務を外してもらう、短時間勤務にする、部署を替えてもらう、転勤の無い区分に移る。どれも収入は減りますが、職を失うわけではありません。厚生年金と健康保険が続くことの大きさは、辞めてから分かります。

親のお金と、自分のお金を分ける

辞めたあとに起きやすいのが、生活費の混ざり合いです。親の年金で家全体が回るようになり、境目が消えていきます。

親の介護にかかる費用は、親の資産から出すのが原則です。 立て替えたものは、日付と金額を残してください。混ざったままにすると、きょうだいとの間で疑われますし、親が亡くなったあとの整理でも困ります。

働いていない期間を、どう説明するか

介護が終わって働こうとしたとき、空白の期間について聞かれます。介護をしていたと言えばよいのですが、それだけだと、また同じことが起きると見られることがあります。

完全に切らないでおく工夫があります。 週に何日かの仕事を残す、在宅でできる仕事に替える、資格の更新を続ける。介護のあいだに身につけたことを、そのまま職歴として話せる場合もあります。

一人で決めない

辞めるかどうかは、たいてい追い詰められた状態で考えることになります。眠れていない頭で決めた判断は、あとから見ると別の道があったことが多いものです。

ケアマネジャー、地域包括支援センター、会社の相談窓口、ハローワーク。辞める前に、少なくとも一つは外の人に話してください。 「もう辞めるしかない」と言ってみると、そこから別の手が出てくることがあります。

辞めても、介護は楽にならない

時間ができれば何とかなる、と思って辞める人がいます。実際には、収入が減り、逃げ場が無くなり、負担だけが増えます。

仕事は、介護から離れられる唯一の時間でもあります。 その時間を失うと、24時間が介護になります。 ここを軽く見ないでください。

戻れないことを前提に考える

介護が終わった後に、同じ条件で働けるとは限りません。年齢と空白の期間が壁になります。

辞めた後の収入と、年金への影響を計算してください。 介護は何年続くか分かりません。終わった後の自分の生活まで含めて考える必要があります。

辞める前に、試せることがある

休みを取る、勤務時間を変える、部署を変えてもらう、在宅で働く。辞めるのは、最後の手段です。

同時に、サービスの組み方をケアマネジャーと見直してください。 「これ以上は無理」と伝えれば、組み替えられることがあります。言わなければ、今の形のままです。

相談できる場所がある

勤め先に言いにくいときの相談先が、外にあります。労働局や、仕事と介護の両立を支援する窓口です。

制度が使えるはずなのに認められない、という相談もできます。 地域包括支援センターでも、介護側の組み直しを相談できます。一人で決める前に、外の目を入れてください。

すでに辞めてしまいました。
ハローワークで離職理由の扱いと給付を確かめ、市区町村で健康保険と年金の手続きをしてください。介護をしながらできる働き方の相談にも応じています。
親の年金で暮らせば大丈夫ですか。
その年金は親が亡くなれば止まります。そのときに自分の収入と年金がどうなるかを、いま確かめてください。

数えてみると、小規模多機能型居宅介護の多い地域と少ない地域

小規模多機能型居宅介護は、当サイトの掲載で5,352件あります。65歳以上1万人あたりにすると全国で1.5件です。定員が分かっている2,810件では、まんなかの定員が28人でした。運営しているのは3,320の法人です。

65歳以上1万人あたりで見ると、いちばん多いのは福井県(3.6件)、いちばん少ないのは茨城県(0.7件)です。同じ国の中で5.1倍のひらきがあります。全国の平均は1.5件なので、福井県は平均の2.4倍にあたります。

掲載があるのは全国1,892市区町村のうち1,280市区町村で、612の市区町村には1件もありません。制度として使えることと、住んでいる場所で実際に選べることは別だ、ということです。お住まいの市区町村に何件あるかは、当サイトの市区町村ページで確かめられます。

この節の数字は、当サイトが掲載している小規模多機能型居宅介護を数えたものです。もとになっているのは厚生労働省「介護サービス情報公表システム」のオープンデータと、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」の年齢階級別人口です。どちらも更新のたびに、この数字も変わります。

この記事の出典

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