辞める前に確かめること。辞めたあとに何が起きるか
辞めれば時間はできますが、介護は終わりません。終わったあとの生活まで含めて考えてください。
辞める前に確かめる
- 介護休業・介護休暇・残業免除・短時間勤務を全部使ったか
- ケアマネジャーに「働き続けたい」と伝えて組み直したか
- ショートステイや小規模多機能型居宅介護を試したか
- きょうだいと分担を話したか
- 辞めたあとの収入と支出を書き出したか
5つ全部にやったと言えないうちは、辞める判断を保留にしてください。 順番が逆になると、戻れなくなります。
辞めたあとに起きること
| 変わるもの | 中身 |
|---|---|
| 健康保険 | 会社の保険を抜ける。国民健康保険か任意継続か扶養に入る |
| 年金 | 厚生年金から国民年金へ。将来の受給額が下がる |
| 雇用保険 | 介護のための離職は特定理由離職者に当たることがある |
| 再就職 | 離職期間が長いほど条件が下がりやすい |
| 介護費用 | 自分の収入が減ることで、親の分も含めた家計が苦しくなる |
辞めると決めたなら
辞める日を先に決めて、その前に手続きを済ませます。 健康保険の切り替え、年金の手続き、ハローワークでの求職の申し込み。介護が終わったあとに働く前提で、資格や職歴が途切れない形を考えておいてください。
介護は終わります。 そのときに自分が何歳で、収入がどうなっているかを、いま紙に書いてみてください。それでも辞めると決めたなら、それは考え抜いた判断です。
辞める前に、落とせる段がある
働き続けるか辞めるかの二択にすると、限界が来た日に辞めることになります。あいだにいくつも段があります。
残業をやめる、深夜の勤務を外してもらう、短時間勤務にする、部署を替えてもらう、転勤の無い区分に移る。どれも収入は減りますが、職を失うわけではありません。厚生年金と健康保険が続くことの大きさは、辞めてから分かります。
親のお金と、自分のお金を分ける
辞めたあとに起きやすいのが、生活費の混ざり合いです。親の年金で家全体が回るようになり、境目が消えていきます。
親の介護にかかる費用は、親の資産から出すのが原則です。 立て替えたものは、日付と金額を残してください。混ざったままにすると、きょうだいとの間で疑われますし、親が亡くなったあとの整理でも困ります。
働いていない期間を、どう説明するか
介護が終わって働こうとしたとき、空白の期間について聞かれます。介護をしていたと言えばよいのですが、それだけだと、また同じことが起きると見られることがあります。
完全に切らないでおく工夫があります。 週に何日かの仕事を残す、在宅でできる仕事に替える、資格の更新を続ける。介護のあいだに身につけたことを、そのまま職歴として話せる場合もあります。
一人で決めない
辞めるかどうかは、たいてい追い詰められた状態で考えることになります。眠れていない頭で決めた判断は、あとから見ると別の道があったことが多いものです。
ケアマネジャー、地域包括支援センター、会社の相談窓口、ハローワーク。辞める前に、少なくとも一つは外の人に話してください。 「もう辞めるしかない」と言ってみると、そこから別の手が出てくることがあります。
辞めても、介護は楽にならない
時間ができれば何とかなる、と思って辞める人がいます。実際には、収入が減り、逃げ場が無くなり、負担だけが増えます。
仕事は、介護から離れられる唯一の時間でもあります。 その時間を失うと、24時間が介護になります。 ここを軽く見ないでください。
戻れないことを前提に考える
介護が終わった後に、同じ条件で働けるとは限りません。年齢と空白の期間が壁になります。
辞めた後の収入と、年金への影響を計算してください。 介護は何年続くか分かりません。終わった後の自分の生活まで含めて考える必要があります。
辞める前に、試せることがある
休みを取る、勤務時間を変える、部署を変えてもらう、在宅で働く。辞めるのは、最後の手段です。
同時に、サービスの組み方をケアマネジャーと見直してください。 「これ以上は無理」と伝えれば、組み替えられることがあります。言わなければ、今の形のままです。
相談できる場所がある
勤め先に言いにくいときの相談先が、外にあります。労働局や、仕事と介護の両立を支援する窓口です。
制度が使えるはずなのに認められない、という相談もできます。 地域包括支援センターでも、介護側の組み直しを相談できます。一人で決める前に、外の目を入れてください。
- すでに辞めてしまいました。
- ハローワークで離職理由の扱いと給付を確かめ、市区町村で健康保険と年金の手続きをしてください。介護をしながらできる働き方の相談にも応じています。
- 親の年金で暮らせば大丈夫ですか。
- その年金は親が亡くなれば止まります。そのときに自分の収入と年金がどうなるかを、いま確かめてください。
数えてみると、小規模多機能型居宅介護の多い地域と少ない地域
小規模多機能型居宅介護は、当サイトの掲載で5,352件あります。65歳以上1万人あたりにすると全国で1.5件です。定員が分かっている2,810件では、まんなかの定員が28人でした。運営しているのは3,320の法人です。
65歳以上1万人あたりで見ると、いちばん多いのは福井県(3.6件)、いちばん少ないのは茨城県(0.7件)です。同じ国の中で5.1倍のひらきがあります。全国の平均は1.5件なので、福井県は平均の2.4倍にあたります。
掲載があるのは全国1,892市区町村のうち1,280市区町村で、612の市区町村には1件もありません。制度として使えることと、住んでいる場所で実際に選べることは別だ、ということです。お住まいの市区町村に何件あるかは、当サイトの市区町村ページで確かめられます。
この記事の出典
- 厚生労働省仕事と介護の両立ポイント2026-08-22 確認
- ハローワーク(厚生労働省)介護休業給付の内容及び支給申請手続についてPDF2026-08-22 確認
- 内閣府令和7年版高齢社会白書 第1章第2節 健康・福祉2026-08-22 確認
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