介護予防とは?何をすれば「予防」になるのか

介護の窓口 編集部公開 2026-08-22最終更新 2026-08-25

体操をすることだと思われがちですが、それは4本の柱の1本にすぎません。抜けやすいのは、むしろ残りの3本のほうです。

4つの柱

介護予防の中身
柱中身
体を動かす歩く、立ち座り、筋力とバランスの運動
食べるたんぱく質を切らさない。体重を落とさない
口を保つ歯と入れ歯の手入れ、かむ力・飲み込む力
人と関わる週に何回か外に出る。役割を持つ

抜けやすいのは「食べる」と「人と関わる」です。 体操には通うのに、食事が細くなっていることには誰も気づいていない。そういう形で崩れていくことが少なくありません。

悪くなってからでも意味がある

介護予防は、要介護になる前だけの話ではありません。すでに要介護の認定を受けている人にとっても、いまの状態を保つことが介護予防です。 できることを取り上げてしまう手助けは、その逆に働きます。

時間がかかっても自分で着替える、洗い物をする、洗濯物をたたむ。手を出しすぎないことが支援になる場面があります。ここは家族が悩むところなので、ケアマネジャーや理学療法士に線引きを相談してください。

受け皿は市区町村にある

介護保険のサービスに当たらない段階でも、市区町村の総合事業や、住民が運営する通いの場があります。体操教室、サロン、食事会、送迎付きの集まりなど、名前も中身も地域によって違います。

基本チェックリストで事業対象者になれば、要介護認定を受けていなくても使えるものがあります。入口は地域包括支援センターです。

「まだ元気だから必要ない」と言われることが多いところです。元気なうちに通い始めた人のほうが続きます。 弱ってから初めての場所へ行くのは、体よりも気持ちのほうが重くなります。

歩くだけでは足りない

毎日散歩しているから運動は足りている、と考えている人は多くいます。歩くことは大切ですが、歩行だけでは太ももやお尻の筋肉に十分な負荷がかかりません。立ち上がる力とバランスは、別に鍛える必要があります。

いすからの立ち座り、片足で立つ、かかとの上げ下ろし。この三つは、道具も場所も要らず、家の中でできます。テレビを見ながら、歯みがきをしながらでも構いません。続かない運動より、ついでにできる運動のほうが効きます。

ただし、すでにふらつきがある人は、必ず何かにつかまってください。予防のつもりで転んでしまっては元も子もありません。不安があるなら、理学療法士がいる通所リハビリで、その人に合う内容を組んでもらえます。

聞こえと見え方は、予防の一部

耳が遠くなると、人と話すのが億劫になります。会話がかみ合わないことを気にして、集まりに行かなくなる。そこから外出が減り、社会とのつながりが細っていきます。

補聴器は、耳のための道具であると同時に、人と関わり続けるための道具です。 見え方も同じで、白内障で足元が見えにくくなると、外出も転倒予防も難しくなります。介護予防の話をするときに、耳鼻科と眼科の受診が出てくるのはこのためです。

持病の管理も、予防のうち

高血圧、糖尿病、心臓や腎臓の病気をきちんと管理することは、そのまま介護予防になります。脳卒中や心不全は、要介護になる原因として大きなものだからです。

受診をやめてしまう、薬を飲まなくなる。ここが崩れると、体操をどれだけ続けていても追いつきません。飲み忘れが増えてきたら、一包化してもらう、薬剤師に家へ来てもらうといった手立てがあります。

続けるのは、一人では難しい

運動でも食事でも、一人で続けられる人はまれです。続いている人に共通しているのは、決まった曜日に、決まった場所へ、誰かと一緒に行っているという形です。

だから、市区町村の通いの場やデイサービスには、体操以上の意味があります。行く予定があること自体が、その週の暮らしを支えています。当サイトでは市区町村ごとに通所のサービスを一覧にしていますので、近くに何があるかを見たうえで、地域包括支援センターに相談してみてください。

一人でやると、続かない

体操の紙をもらって帰っても、数日でやめてしまいます。続くかどうかは、意志の強さではなく、行く場所と会う人があるかで決まります。

週に一度でも通う先があると、その日のために動くことになります。 市区町村が行う通いの場や、地域の集まりが各地にあります。 地域包括支援センターに、近くで通える場所を聞いてください。

「まだ元気だから」の時期が、いちばん効く

介護が必要になってから始めると、できることが限られます。歩ける、外へ出られる、人と話せる。この段階で始めるほうが、後で残るものが多くなります。

認定を受けていなくても使えるものがあります。 非該当と出た人も対象です。「まだ早い」と思っている時期こそ、地域包括支援センターに一度行ってみてください。

本人が乗り気でないとき

誘っても行きたがらないことがあります。年寄り扱いされたくない、知らない人の中に入りたくない。理由は本人の中にあります。

最初の一回だけ、家族が一緒に行く方法があります。 見学だけでも構いません。「体操」ではなく「お茶を飲みに行く」と言い換えると通ることがあります。 誘い方を変えるだけで結果が変わります。

介護が始まってからも、やめない

要介護になったら予防は終わり、ではありません。残っている力を保つことは、そこから先も同じように大事です。

通所のサービスでも、家でできる動きでも構いません。 全部を職員に任せると、できていたことができなくなります。時間がかかっても自分でやってもらう場面を残してください。

何から始めればいいですか。
外に出る用事を週に何回か作ることからで十分です。運動そのものより、外出の回数が減っていないかが手がかりになります。買い物、通院、集まりのどれでも構いません。
本人が家から出たがりません。
理由を確かめてください。足が痛い、失禁が心配、耳が遠くて会話が苦痛、といった具体的な理由が隠れていることがあります。理由が分かれば手当てができ、それを取り除くほうが説得より早いことがあります。

この記事の出典

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