介護予防とは?何をすれば「予防」になるのか
体操をすることだと思われがちですが、それは4本の柱の1本にすぎません。抜けやすいのは、むしろ残りの3本のほうです。
4つの柱
| 柱 | 中身 |
|---|---|
| 体を動かす | 歩く、立ち座り、筋力とバランスの運動 |
| 食べる | たんぱく質を切らさない。体重を落とさない |
| 口を保つ | 歯と入れ歯の手入れ、かむ力・飲み込む力 |
| 人と関わる | 週に何回か外に出る。役割を持つ |
抜けやすいのは「食べる」と「人と関わる」です。 体操には通うのに、食事が細くなっていることには誰も気づいていない。そういう形で崩れていくことが少なくありません。
悪くなってからでも意味がある
介護予防は、要介護になる前だけの話ではありません。すでに要介護の認定を受けている人にとっても、いまの状態を保つことが介護予防です。 できることを取り上げてしまう手助けは、その逆に働きます。
時間がかかっても自分で着替える、洗い物をする、洗濯物をたたむ。手を出しすぎないことが支援になる場面があります。ここは家族が悩むところなので、ケアマネジャーや理学療法士に線引きを相談してください。
受け皿は市区町村にある
介護保険のサービスに当たらない段階でも、市区町村の総合事業や、住民が運営する通いの場があります。体操教室、サロン、食事会、送迎付きの集まりなど、名前も中身も地域によって違います。
基本チェックリストで事業対象者になれば、要介護認定を受けていなくても使えるものがあります。入口は地域包括支援センターです。
歩くだけでは足りない
毎日散歩しているから運動は足りている、と考えている人は多くいます。歩くことは大切ですが、歩行だけでは太ももやお尻の筋肉に十分な負荷がかかりません。立ち上がる力とバランスは、別に鍛える必要があります。
いすからの立ち座り、片足で立つ、かかとの上げ下ろし。この三つは、道具も場所も要らず、家の中でできます。テレビを見ながら、歯みがきをしながらでも構いません。続かない運動より、ついでにできる運動のほうが効きます。
ただし、すでにふらつきがある人は、必ず何かにつかまってください。予防のつもりで転んでしまっては元も子もありません。不安があるなら、理学療法士がいる通所リハビリで、その人に合う内容を組んでもらえます。
聞こえと見え方は、予防の一部
耳が遠くなると、人と話すのが億劫になります。会話がかみ合わないことを気にして、集まりに行かなくなる。そこから外出が減り、社会とのつながりが細っていきます。
補聴器は、耳のための道具であると同時に、人と関わり続けるための道具です。 見え方も同じで、白内障で足元が見えにくくなると、外出も転倒予防も難しくなります。介護予防の話をするときに、耳鼻科と眼科の受診が出てくるのはこのためです。
持病の管理も、予防のうち
高血圧、糖尿病、心臓や腎臓の病気をきちんと管理することは、そのまま介護予防になります。脳卒中や心不全は、要介護になる原因として大きなものだからです。
受診をやめてしまう、薬を飲まなくなる。ここが崩れると、体操をどれだけ続けていても追いつきません。飲み忘れが増えてきたら、一包化してもらう、薬剤師に家へ来てもらうといった手立てがあります。
続けるのは、一人では難しい
運動でも食事でも、一人で続けられる人はまれです。続いている人に共通しているのは、決まった曜日に、決まった場所へ、誰かと一緒に行っているという形です。
だから、市区町村の通いの場やデイサービスには、体操以上の意味があります。行く予定があること自体が、その週の暮らしを支えています。当サイトでは市区町村ごとに通所のサービスを一覧にしていますので、近くに何があるかを見たうえで、地域包括支援センターに相談してみてください。
一人でやると、続かない
体操の紙をもらって帰っても、数日でやめてしまいます。続くかどうかは、意志の強さではなく、行く場所と会う人があるかで決まります。
週に一度でも通う先があると、その日のために動くことになります。 市区町村が行う通いの場や、地域の集まりが各地にあります。 地域包括支援センターに、近くで通える場所を聞いてください。
「まだ元気だから」の時期が、いちばん効く
介護が必要になってから始めると、できることが限られます。歩ける、外へ出られる、人と話せる。この段階で始めるほうが、後で残るものが多くなります。
認定を受けていなくても使えるものがあります。 非該当と出た人も対象です。「まだ早い」と思っている時期こそ、地域包括支援センターに一度行ってみてください。
本人が乗り気でないとき
誘っても行きたがらないことがあります。年寄り扱いされたくない、知らない人の中に入りたくない。理由は本人の中にあります。
最初の一回だけ、家族が一緒に行く方法があります。 見学だけでも構いません。「体操」ではなく「お茶を飲みに行く」と言い換えると通ることがあります。 誘い方を変えるだけで結果が変わります。
介護が始まってからも、やめない
要介護になったら予防は終わり、ではありません。残っている力を保つことは、そこから先も同じように大事です。
通所のサービスでも、家でできる動きでも構いません。 全部を職員に任せると、できていたことができなくなります。時間がかかっても自分でやってもらう場面を残してください。
- 何から始めればいいですか。
- 外に出る用事を週に何回か作ることからで十分です。運動そのものより、外出の回数が減っていないかが手がかりになります。買い物、通院、集まりのどれでも構いません。
- 本人が家から出たがりません。
- 理由を確かめてください。足が痛い、失禁が心配、耳が遠くて会話が苦痛、といった具体的な理由が隠れていることがあります。理由が分かれば手当てができ、それを取り除くほうが説得より早いことがあります。
この記事の出典
- 厚生労働省介護予防2026-08-22 確認
- 厚生労働省介護予防・日常生活支援総合事業2026-08-22 確認
- 国立長寿医療研究センターフレイルの原因は?2026-08-22 確認
- 内閣府令和7年版高齢社会白書 第1章第2節 健康・福祉2026-08-22 確認
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