高齢者は喉が渇かない。夏の室内で起きること

介護の窓口 編集部公開 2026-08-22最終更新 2026-08-25

「喉が渇いていないから大丈夫」は、高齢期にはあてになりません。感じにくくなること自体が、体の変化です。

室内で起きている

熱中症で救急搬送される高齢者の多くは、屋外ではなく住居内で発症しています。 畑仕事や散歩の話ではありません。エアコンを使わずに過ごした部屋で起きています。

暑さを感じにくくなること、汗をかきにくくなること、体に蓄えられる水分が少ないこと。この3つが重なるので、本人の感覚では危険が分かりません。

気づく目印

  • 尿の色が濃い。回数が減った
  • 口の中や脇の下が乾いている
  • 皮膚をつまむと戻りが遅い
  • ぼんやりしている。返事が遅い。いつもと様子が違う
  • 食欲が落ちた。微熱がある
「様子がおかしい」が最初の症状のことがあります。 認知症のある人では、症状が「急に混乱した」という形で現れることがあります。夏場に急に様子が変わったら、まず暑さと水分を疑ってください。

備え

暑い時期にすること
こと中身
室温を測る体感に頼らない。温度計と湿度計を目に入る場所に置く
エアコンを使う電気代を心配して我慢させない。設定は室温で決める
水分を決まった時間に喉の渇きを待たない。起床時、食事、入浴前後、就寝前
塩分も大量に汗をかいたときは水だけにしない
連絡を増やす暑い日は電話や訪問の回数を増やす

エアコンの使い方が分からなくなっていることがあります。 リモコンの表示が読めない、冷房と暖房を取り違えている、設定温度が30度になっている。夏の初めに一度確かめてください。

危ないと思ったら

涼しい場所へ移し、体を冷やし、水分と塩分を取らせます。自分で水が飲めない、意識がはっきりしない、けいれんしているときは119番です。 迷ったときは♯7119で相談できます。

冷やす場所は決まっている

体を冷やすときは、皮膚のすぐ下を太い血管が通っているところを選びます。首の両側、脇の下、脚の付け根の三か所です。ここに保冷剤や氷のうを当てると、冷えた血が体の中を回ります。

保冷剤が無ければ、濡らしたタオルを当てて扇ぐだけでも下がります。救急車を呼んだあとも、待っているあいだは冷やし続けてください。額に冷却シートを貼るのは、気持ちはよくても体温はほとんど下がりません。

エアコンを我慢する人に、どう向き合うか

「電気代がもったいない」「昔はこれで平気だった」。この二つは、暑さで倒れる高齢者の家で、家族が何度も聞かされる言葉です。年を取ると暑さを感じにくくなるので、本人の体感は当てになりません。

説得より、環境を変えるほうが早いことがあります。温度計を目に付くところに置いて数字で見せる、エアコンのリモコンの設定を固定してしまう、といったやり方です。お金の心配が本当の理由であれば、市区町村がエアコンの購入や電気代の助成をしていることがあるので、地域包括支援センターに聞いてください。

薬を飲んでいる人は、脱水になりやすい

心臓や血圧の薬として利尿剤を飲んでいる人は、体から水分が出ていきやすくなっています。下剤を使っている人、糖尿病で血糖が高い人も同じです。

暑い時期に体調を崩したとき、薬をやめるかどうかは自分で決めないでください。 決めるのは医師です。ただ、飲んでいる薬の中に脱水になりやすいものがあるかどうかは、お薬手帳を持って薬剤師に聞けばその場で分かります。夏の前に一度聞いておくと安心です。

停電したときのことを、夏の前に考えておく

台風や落雷でエアコンが止まったとき、高齢者だけの家はいちばん危なくなります。冷蔵庫が止まれば飲み物も冷えません。

電池式の扇風機、凍らせておいたペットボトル、経口補水液の買い置き。この三つがあるだけで、しのげる時間が変わります。それでも室温が下がらないときは、家にとどまらず涼しい場所へ移ってください。 市区町村が公共施設を涼み処として開放していることがあります。

喉が渇かなくなる

年を重ねると、体が水を必要としていても渇きを感じにくくなります。「飲みたくない」は、足りているという意味ではありません。

時間を決めて出すほうが確実です。 起きたとき、食事のとき、入浴の前後、寝る前。「飲んでね」より、コップを置くほうが飲まれます。

トイレを気にして、飲まない

夜中に起きたくない、失敗したくない。その心配から、自分で水を控えている人がいます。

そこを責めても飲みません。 排せつの困りごとのほうを先に手当てすると、水は自然に戻ります。紙パンツや、寝室の近くにポータブルトイレを置くことで解けることがあります。

家の中でも起きる

外で起きるものだと思われがちですが、家の中で起きることが多くあります。 とくに一人でいる昼間です。

暑さを感じにくくなっているので、本人の感覚は当てになりません。 部屋に温度計を置いて、数字で決めてください。電気代を心配して切ってしまう人には、家族から繰り返し伝えるしかありません。

一人暮らしの家に、目を入れる

倒れても、誰も気づきません。夏のあいだだけでも、連絡の頻度を上げてください。

電話に出ないときに見に行ってくれる人を、一人決めておいてください。 近所の人、民生委員、配食の配達員。このサイトでは、見守りのある配食を市区町村ごとに載せています。

水を飲みたがりません。
トイレが近くなるのを嫌がっていることがあります。夜間のトイレの不安が背景なら、その手当てが先です。汁物、果物、ゼリー、お茶など、水以外の形でも水分は取れます。
冬は関係ありませんか。
脱水は冬にも起きます。暖房で乾燥し、汗をかいている自覚が無いまま水分が減ります。むしろ気づかれにくいのは冬です。

この記事の出典

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高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

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