高齢者の身元保証とは?頼めることと費用の目安
入院の手続きで「身元保証人を書いてください」と言われる。頼める子や兄弟がいない。ここで困る人は年々増えていて、それを引き受ける民間のサービスが育ってきました。
身元保証とは
入院や施設への入居のときに求められる身元引受人・連帯保証人の役目を、家族に代わって引き受けるサービスです。保証だけでなく、日々の手続きの代行や、亡くなったあとの片づけまで含む契約が多くあります。
身元保証は介護保険の指定事業所ではありません(民間のサービスです)。このサイトでは、身元保証相談士が在籍している事務所を掲載しています。行政書士や司法書士の事務所が多く、扱える範囲は事務所によって違います。
このサイトには、身元保証の相談を受けられる事務所を247件掲載しています。公表の制度が無い分野なので、これで全国のすべてが分かるわけではありません。社会福祉協議会が同じ役目の一部を担っている地域もあります。
頼めること
| 分け方 | 中身 |
|---|---|
| 身元保証 | 入院・入居の連帯保証、緊急時の連絡先、退院時の引き取り |
| 生活の支援 | 入院の手続き、金銭の管理、買い物や届け物、施設との連絡 |
| 死後の事務 | 葬儀、遺品の片づけ、行政への届け出、部屋の明け渡し |
| 判断力が落ちたとき | 任意後見の契約(別に家庭裁判所の手続きが要る) |
この4つは別々の契約で、まとめて結ぶことも、必要なものだけ結ぶこともできます。何を頼み、何を頼まないかを決めるところが、いちばん大事な作業です。
費用の目安
| 名目 | 中身 | 目安 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 契約時に払う。相談と書類作成 | 20万円から60万円 |
| 預託金 | 葬儀や部屋の片づけに充てるために預ける | 50万円から150万円 |
| 月額 | 見守りや連絡の対応 | 月3,000円から1万円 |
| 都度の費用 | 入院の付き添いなど、動いた回数で払う | 1回5,000円から2万円 |
金額は目安です。事務所と契約の範囲で大きく開きます。特に預託金は、返ってくるお金か、使い切るお金かで意味がまったく違います。契約書のどこに書いてあるかを確かめてください。
身元保証人がいないと入れないわけではない
身元保証人がいないことだけを理由に、病院が診療を断ったり、介護施設が入所を断ったりすることは、国の通知で認められていません。まずそのことを知っておいてください。
とはいえ現場では求められます。断られたときに争うより、先に相談したほうが早く進むのも事実です。次の順で当たると、費用をかけずに済むことがあります。
- 病院や施設の相談員に、身元保証人がいない場合の扱いを聞く
- 市区町村の高齢福祉担当課、地域包括支援センターに相談する
- 社会福祉協議会の日常生活自立支援事業を調べる
- 成年後見(法定後見・任意後見)を検討する
- 民間の身元保証サービスを検討する
成年後見との違い
| 民間の身元保証 | 成年後見 | |
|---|---|---|
| 始めるとき | 判断力があるうちに契約 | 判断力が落ちてから家庭裁判所へ申し立て |
| 決めるのは | 本人と事業者 | 家庭裁判所が後見人を選ぶ |
| できること | 契約で決めた範囲 | 財産の管理と法律行為 |
| 身元保証 | 引き受ける | 後見人は原則として引き受けない |
| 死後の事務 | 契約に入れられる | 原則として範囲外 |
| 見張る人 | 契約の相手だけ | 家庭裁判所が監督する |
成年後見人は身元保証人になりません。逆に民間の身元保証は、判断力が落ちたあとの財産管理まではできません。両方が要る場面があるので、片方で足りると思い込まないでください。
- 子どもがいるのに頼んでもいいですか。
- 構いません。遠方に住んでいる、仕事で急に動けない、関係が良くない、といった事情で使う人がいます。子に知らせるかどうかも契約のときに決められます。
- 預けたお金は返ってきますか。
- 契約によります。死後の費用に充てて使い切る形と、残れば相続人に返す形があります。どちらかを契約書で必ず確かめてください。過去には預けたお金が事業者の運転資金に流用され、破綻した例があります。
- 途中でやめられますか。
- やめられます。ただし初期費用が戻らない契約が多く、解約の手数料を取る事務所もあります。契約の前に、やめるときにいくら戻るかを聞いてください。
- 国のきまりはありますか。
- 2024年に国が事業者向けの指針をまとめ、契約内容の説明、預かり金の分別管理、第三者による確認などを求めています。許可や登録の制度ではないので、守っているかどうかは自分で確かめる必要があります。