身元保証の選び方!預けたお金の守り方と契約前の確認
身元保証は、まとまったお金を先に預ける契約です。サービスの良し悪しより先に、そのお金が事業者の財布と分けて置かれているかを確かめてください。過去の破綻は、そこが守られていなかったために起きました。
このサイトに載っている身元保証の相談先は全国で247件です。公表の制度が無い分野なので、これで全部ではありません。数が少ないぶん、1件ずつを丁寧に見る必要があります。
先に見るのは、預けたお金の置き場所
身元保証の契約では、葬儀や部屋の片づけに充てるためのお金を先に預けます。50万円から150万円が目安で、実際に使われるのは10年後や20年後です。それだけの期間、どこに置かれるのかが最初の問題になります。
そのお金が事業者の運転資金と同じ口座に入っていると、経営が傾いたときに一緒に消えます。聞くべきことは1つで、預けたお金はどこに、誰の名前で置かれますか、です。
| 置き方 | 安全さ | 確かめる書類 |
|---|---|---|
| 信託銀行に信託する | 高い | 信託契約書の写し |
| 弁護士・司法書士が預かる | 高い | 預り証、預託契約書 |
| 事業者の別口座で分けて管理 | 中 | 口座の名義、残高の報告書 |
| 事業者の一般口座 | 低い | (分けられていない) |
分別管理していますという口頭の説明で済ませないでください。どの方法なのかを書面で示せる事務所であれば、その場で写しをもらえます。出せないのであれば、契約の中身がどれだけ良く見えても先へ進まないほうが安全です。
契約書を持ち帰れない相手は、それだけで避ける
契約の前に受け取る紙は、契約書、料金表、預託金の管理方法を書いた書面、そして解約したときにいくら戻るかを書いた条項の4つです。これらを持ち帰って読む時間をもらえるかどうかが、最初の分かれ目になります。
身元保証の契約は、身元保証・生活支援・死後事務・任意後見が束になっていることが多く、その場で読んで理解できる分量ではありません。読めないものに署名しないことが、いちばん確かな守り方です。家族に見せるなと言う相手は、そこで見送って構いません。
余裕があれば、直近の決算書か事業報告を見せてもらえるかも聞いてみてください。断られても違反ではありませんが、10年以上お金を預ける相手として、その受け答えは判断の材料になります。
急かす相手を、急いでいるときに選ばない
身元保証が必要になる場面は、入院や入居の直前という慌ただしいときに来ます。病院の窓口で保証人の欄を指されて、その日のうちに決めなければと思い込むところに、この契約のいちばんの危うさがあります。
身元保証人がいないことだけを理由に、診療や入所を断ることは国の通知で認められていません。まず病院や施設の相談員に、保証人がいないまま進める方法を聞いてください。身元保証を頼むかどうかは、そのあとで落ち着いて決められます。
今日契約すれば安くなる、要らないと言った範囲まで一式でしか受けられない、預託金の置き場所を答えない。このいずれかが出てきたら、急いでいる場面であっても、その場で決めない理由になります。
20年続く契約なので、担当者ではなく事務所を見る
契約してから実際に動いてもらうまでに、10年も20年も空くことがあります。目の前の担当者が親身であることより、その事務所がその年月のあいだ続いているかどうかのほうが効いてきます。
| 見るところ | 安心できる | 考え直す |
|---|---|---|
| 体制 | 担当が替わっても引き継ぐ形がある | 担当が誰になるか決まっていない |
| 範囲 | 頼まないものを外せる | 一式でしか受けない |
| 報告 | 年に1回など、決まった形で報告がある | 契約後の連絡の取り決めが無い |
| 費用 | 内訳が書面にある | あとで実費を精算、とだけ言う |
| 引き継ぎ | 事業者が続けられなくなったときの決めがある | 取り決めが無い |
法人の形と、何年やっているかは聞いておいて損がありません。2024年に国が事業者向けの指針をまとめ、契約内容の説明や預かり金の分別管理を求めていますが、許可や登録の制度ではないので、守っているかどうかは自分で確かめる必要があります。
公的な仕組みで足りる部分は、そちらに任せる
心配なのがお金の管理だけなら、社会福祉協議会の日常生活自立支援事業で足りることがあります。費用は月に千円台からで、民間の身元保証よりずっと安く済みます。判断力が落ちたあとの財産管理なら成年後見です。
ただし成年後見人は身元保証人にはなりません。逆に民間の身元保証は、判断力が落ちたあとの財産管理まではできません。片方で全部まかなえると思い込まず、足りない部分だけを民間に頼む組み方をしてください。
| 仕組み | 担うところ | 扱う範囲 |
|---|---|---|
| 日常生活自立支援事業 | 社会福祉協議会 | 福祉サービスの手続き、日常の金銭管理 |
| 成年後見(法定・任意) | 家庭裁判所が選ぶ後見人 | 財産の管理、契約の代理 |
| 地域包括支援センター | 市区町村 | 相談の入口。制度のつなぎ |
| 市区町村の担当課 | 市区町村 | 独自の助成や見守り |
- どこに相談すればよいか分かりません。
- まず地域包括支援センターに行ってください。公的な仕組みで足りるかを整理してもらえます。そのうえで足りない部分があれば、民間の事務所に相談する順番が安全です。
- 契約書が難しくて読めません。
- 持ち帰って、別の専門家に見てもらってください。費用はかかりますが、預ける金額に比べれば小さく済みます。持ち帰らせない相手は、それだけで避ける理由になります。
- 事業者がつぶれたらどうなりますか。
- 預託金が分けて管理されていれば戻る見込みがありますが、事業者の口座に混ざっていると戻らないことがあります。契約が引き継がれるかどうかも取り決め次第です。契約の前に、その2点を書面で確かめてください。
- 家族に反対されています。
- 契約の中身を家族に見せて、何を頼むのかを共有してください。反対の多くは、知らないところで大金を渡したことへの心配です。死後の事務を含む契約は相続にも関わるので、伝えておいたほうが後々もめません。