歯科に通えなくなったら、来てもらう。訪問歯科という選択

介護の窓口 編集部公開 2026-08-22最終更新 2026-08-25

内科の往診は思いついても、歯科は思いつかないという人が多くいます。しかし食べる力に直結するのは、こちらです。

来てもらってできること

  • 虫歯や歯周病の治療、抜歯
  • 入れ歯の作製、調整、修理
  • 口の中の清掃(歯科衛生士による専門的な手入れ)
  • 飲み込みの評価と、食べ方の助言
  • 介護している人への口腔ケアの指導

入れ歯の調整だけでも呼べます。 「治療するほどではないから」と遠慮する必要はありません。合わない入れ歯を我慢して使い続けるほうが、食べる力を確実に削ります。

口の清掃は肺炎の予防

口の中の細菌が唾液とともに気管へ入ると、誤嚥性肺炎の原因になります。 寝たきりの人や、自分で歯みがきができない人ほど口の中は汚れやすく、しかも誰にも見えません。

歯が1本も無い人でも、口の清掃は必要です。 入れ歯、歯ぐき、舌、頬の内側に汚れがたまります。

費用と制度

どの制度で扱うか
中身制度
治療、入れ歯の作製・調整医療保険
歯科医師・歯科衛生士による療養上の管理と指導介護保険(居宅療養管理指導)
交通費事業所により実費を求められることがある
居宅療養管理指導は区分支給限度基準額の枠外です。デイサービスなどをたくさん使っていても、これを理由に諦める必要はありません。

頼み方

いまかかっている歯科医院が訪問をしているかを、まず聞いてください。していない場合は、ケアマネジャー、地域包括支援センター、市区町村の歯科医師会が、訪問をしている歯科を知っています。

頼むときに、先に伝えること

来てもらう場所の様子、本人の状態、持病と飲んでいる薬。これを先に伝えておくと、必要な道具を持って来てもらえます。

血をさらさらにする薬を飲んでいるか、心臓の持病があるか、寝たきりか、口を開けにくいか。当日に初めて分かると、その日は診るだけで終わってしまうことがあります。 お薬手帳を用意しておいてください。

入れ歯は、なくす・壊す

施設でも家でも、入れ歯が行方不明になることは日常的に起きます。ティッシュに包んで捨てられる、落として割れる、洗面所で流れる。

入れ歯に名前を入れてもらうことができます。 作るときに頼めば、施設で取り違えられることも防げます。外したときに置く場所を一つに決めておくだけでも、なくす回数は減ります。

毎日の手入れは、家族と介護の側がする

歯科が来るのは、多くても週に一度か二度です。口の中の清潔を保つのは、その間の毎日の手入れです。

やり方は、歯科衛生士に見せてもらってください。 力の入れ方、どこに汚れがたまるか、嫌がるときの進め方。訪問介護のヘルパーやデイサービスの職員にも同じやり方を伝えると、そろいます。寝る前の手入れが、いちばん効きます。

食べられない理由は、歯だけではない

入れ歯を直しても食べられるようにならないことがあります。飲み込む力が落ちている、薬で口が渇いている、姿勢が悪い、そもそも食欲が無い。

歯科は、そこを見分ける入口になります。 飲み込みの評価をしている歯科医師や、言語聴覚士につないでもらえることがあります。「食べられない」を年のせいにせず、一度診てもらってください。

口の中は、外から見えない

本人が痛みを言わないと、誰も気づきません。判断が難しくなると、なおさら伝えられません。

食べる量が減った、片方だけで噛んでいる、口を触る。 これが合図です。 「食欲が落ちた」で片づけると、原因を見逃します。

入れ歯が合わなくなる

痩せると、歯ぐきの形が変わります。作ったときは合っていても、合わなくなります。

外したままにしていると、噛む力がさらに落ちます。 調整すれば使えることがあります。外したままの期間が長いほど、戻すのが難しくなります。

ケアマネジャーに伝えると、つながる

通えないから諦めている家庭があります。家に来てもらう形があります。

ケアマネジャーか、かかりつけ医に相談してください。 市区町村の歯科医師会が窓口を持っていることがあります。このサイトの市区町村ページでも、地域の事業所を確かめられます。

毎日の手入れが、いちばん効く

受診したから終わり、ではありません。日々の口の手入れが、肺炎を防ぐことにつながります。

どうやればよいかは、来てもらったときに教われます。 嫌がる人への近づき方、道具の選び方。家族が我流でやるより、一度教わったほうが早いです。

施設に入っていても呼べますか。
呼べます。施設によっては協力歯科医療機関が決まっていることがあるので、まず施設の相談員に聞いてください。
認知症があって口を開けてくれません。
そうした場面に慣れている歯科医師と歯科衛生士がいます。無理に開けさせず、時間をかけて進める方法があります。難しいことを事前に伝えておくと、備えて来てもらえます。

数えてみると、通所介護の多い地域と少ない地域

通所介護は、当サイトの掲載で24,473件あります。65歳以上1万人あたりにすると全国で6.8件です。定員が分かっている10,706件では、まんなかの定員が30人でした。運営しているのは14,326の法人です。

65歳以上1万人あたりで見ると、いちばん多いのは沖縄県(16.7件)、いちばん少ないのは北海道(4.3件)です。同じ国の中で3.9倍のひらきがあります。全国の平均は6.8件なので、沖縄県は平均の2.5倍にあたります。

掲載があるのは全国1,892市区町村のうち1,710市区町村で、182の市区町村には1件もありません。制度として使えることと、住んでいる場所で実際に選べることは別だ、ということです。お住まいの市区町村に何件あるかは、当サイトの市区町村ページで確かめられます。

この節の数字は、当サイトが掲載している通所介護を数えたものです。もとになっているのは厚生労働省「介護サービス情報公表システム」のオープンデータと、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」の年齢階級別人口です。どちらも更新のたびに、この数字も変わります。

この記事の出典

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高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

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