訪問看護の選び方!夜間の体制と主治医との関係を見る
訪問看護は、落ち着いているときはどこも同じに見えます。違いが出るのは、夜中に熱が出たときや、状態が急に変わったときです。選ぶときは、うまくいかない日を思い浮かべながら確かめてください。
全国の訪問看護ステーションは18,202件です。数だけ見れば選べそうに思えますが、夜中に動ける人数を抱えているところは限られます。家からの近さで絞ったあとに残る二つ三つを、どこで見分けるかという話をします。
つながるだけなのか、来てもらえるのか
「二十四時間対応」と書かれていても、中身は二通りあります。電話で相談に乗るだけの場合と、必要なら夜間でも訪問する場合です。この違いは、実際に困った夜になって初めて分かります。契約の前に「夜中に呼んだら来ていただけますか」と、はっきり聞いてください。
そのうえで、夜間や休日の連絡先はどこなのか、電話に出るのは看護師なのか留守番電話なのか、急な訪問は月にどれくらいあるのかを聞きます。「あまりありません」と答えるステーションより、「月に数件はあります」と答えるステーションのほうが、実際に動いている体制を持っています。
夜間の体制を整えているステーションでは、緊急時訪問看護加算という費用が毎月かかります。金額を聞いておいてください。使わなかった月も払うことになりますが、呼べる相手がいることへの備えだと考えると、納得しやすいはずです。
主治医とのやりとりがあるか
訪問看護は主治医の指示で動きます。ここが訪問介護との大きな違いです。主治医と日ごろからやりとりのあるステーションだと、薬の量の相談も、往診の手配も速くなります。
「先生とのお付き合いはありますか」と聞いてみてください。同じ地域で在宅医療に関わっていれば、たいてい互いを知っています。面識がない場合でも、「こちらから連絡を取ります」と言えるステーションなら心配は要りません。困るのは、指示書をもらうためだけの関係で止まっている場合です。
どんな状態の人を多く見ているか
訪問看護はできることの幅が広く、ステーションごとに得意な領域が違います。家で続けたいことをはっきりさせてから、その経験があるかを聞くのが近道です。
| 家で続けたいこと | 確かめること |
|---|---|
| 最期まで家で過ごしたい | 看取りを年に何件くらい経験しているか |
| 認知症がある | 認知症のある方への関わりに慣れているか |
| 人工呼吸器や在宅酸素を使う | 同じ機器を扱った経験があるか |
| リハビリを続けたい | 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士がいるか |
| 小さな子どもがいる家庭で介護する | 訪問の時間帯をどこまで動かせるか |
とくに看取りを望むなら、経験の数は率直に聞いてください。答えにくい問いではありません。経験のあるステーションほど、「その時期になったら訪問を増やします」「主治医とこう連携します」と、先の見通しまで話してくれます。
大きいところと小さいところ、どちらにも理由がある
看護師が一人か二人の小さなステーションは、同じ人がずっと来てくれる代わりに、その人が休むと訪問が止まります。人数の多いステーションはその逆で、代わりを立てやすい代わりに、来る人が替わりやすくなります。
「何人の看護師がいますか」「担当は固定ですか」の二つを聞けば、どちらの型かが分かります。どちらが良いというものではなく、毎日の安定を取るか、いざというときの手厚さを取るかです。医療的な処置が多い人ほど、後者に寄せておくほうが安心できます。
家族にどう伝えてくれるか
訪問看護は、家族にとって医療の窓口になります。訪問のたびに記録を残して家に置いていってくれるか、離れて暮らす家族へ電話やメールで様子を伝えてもらえるか、処置のやり方を家族に教えてくれるか。この三つが揃っていると、家で見ていくことへの不安がかなり減ります。
病院からの紹介を、そのまま受けなくていい
退院のときに、病院が訪問看護の候補を挙げてくれます。ありがたい話ではありますが、病院と付き合いのあるステーションが優先されることがあります。必ずしも自宅から近いとは限りませんし、夜間の体制がこちらの望む形とも限りません。
紹介された先を断っても、その後の診療で不利になることはありません。自宅からの近さ、夜間の体制、主治医との関係を見て、家族が決めて構いません。迷ったら、退院前のカンファレンスの場で「ほかにも候補を教えてください」と伝えてください。
24時間の対応があるか
日中しか連絡が取れない事業所と、夜間も対応する事業所があります。在宅を続けられるかどうかが、ここで決まることがあります。
対応する場合は、その分の費用がかかります。 必要かどうかを、状態と相談して決めてください。 医療の手当てが増えている段階なら、付けておく価値があります。
対応できる中身が、事業所ごとに違う
床ずれ、痰の処理、点滴、看取り、精神科の領域。すべてに対応できる事業所ばかりではありません。
いま必要なことと、これから必要になりそうなことを伝えて、対応できるかを聞いてください。 途中で替えると、経過を知らない人に一から説明することになります。先を見て選ぶ。
主治医との、やり取りのしやすさ
医師と事業所の間で情報が行き来していないと、判断が遅れます。日ごろから付き合いのある組み合わせは、話が早い。
かかりつけ医に、どの事業所と組んでいるかを聞いてください。 医療機関に併設されている事業所もあります。このサイトの市区町村ページで、地域の事業所を一覧で見られます。
記録を、家族が読めるか
来るたびに記録が残ります。家に置いていってもらえば、家族が読めます。
離れて住む家族と共有すれば、状況が伝わります。 分からない言葉があれば、その場で聞いてください。読める形で書いてもらうよう頼めます。
- 途中で変えられますか。
- 変えられます。ケアマネジャーか主治医に伝えてください。指示書を出し直してもらう必要はありますが、手続きは事業所の側が進めます。言い出しにくければ、ケアマネジャーから話してもらうこともできます。
- 訪問看護ステーションと、病院から来る訪問看護はどちらがいいですか。
- 費用はステーションのほうがやや高くなりますが、二十四時間の体制やリハビリ職の在籍はステーションのほうが手厚い傾向があります。通っている病院から来てもらえるなら、検査の結果や薬の変更が速く伝わります。何を重く見るかで選んでください。
- 介護保険の自己負担のほかに費用はかかりますか。
- 交通費、亡くなったあとの処置の費用、営業時間外に来てもらったときの加算などが別にかかることがあります。重要事項説明書に一覧で書かれているので、契約の前に目を通してください。
訪問看護の定員は、まんなかが50人
当サイトに掲載している訪問看護のうち、定員が分かっているのは4,522件です。その4,522件を小さい順に並べると、まんなかに来るのが50人でした。いちばん小さいところで1人、いちばん大きいところで300,300人と幅があります。
| 定員 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 10人以下 | 1,014件 | 22.4% |
| 11〜20人 | 354件 | 7.8% |
| 21〜30人 | 332件 | 7.3% |
| 31人以上 | 2,822件 | 62.4% |
いちばん多いのは31人以上の62.4%です。定員は大きいほどよい、小さいほどよいというものではありません。人数が多ければ行事や設備の幅が出やすく、少なければ職員の目が届きやすい、という違いがあるだけです。見学のときは定員そのものより、「その日に実際に何人来ているか」を聞いてください。定員いっぱいで動いている日と、半分の日とでは、同じ定員でも過ごし方が変わります。
日曜に開いている訪問看護は29.5%
18,202件のうち、日曜に開いているのは5,362件でした。土曜は9,989件(54.9%)、祝日は8,860件(48.7%)です。土曜まで開いているところは多い一方で、日曜まで開いているところはぐんと減ります。
平日に働いている家族が付き添える日、あるいは家族が休みで介護を代わりにくい日に使いたいのであれば、この条件で候補はかなり絞られます。曜日は後から変えにくい条件なので、見学の順番を決める前に確かめておくと無駄がありません。当サイトの一覧は市区町村ごとに絞り込めるので、住んでいる地域で何件残るかを先に見てください。
訪問看護を運営しているのは13,422の法人
17,688件の運営者をたどると、13,422の法人にたどり着きます。1法人あたり1.3件という計算で、ほとんどが1か所だけを運営している法人です。系列で複数を持つ大きな法人は多くありません。
同じ法人が近くで複数を運営している場合、空きが出たときに融通が利いたり、別の種類のサービスを同じ法人でまとめられたりすることがあります。一方で、法人が大きいことと、その事業所が自分に合うかどうかは別の話です。運営法人は事業所ページに出しているので、気になったら同じ法人の他の事業所も見てみてください。
なお、公式サイトを届け出ているのは13,449件(73.9%)です。サイトが無い事業所が悪いということではありませんが、事前に様子を知りたいときは、まず電話で聞くことになります。
訪問看護が1件も無い市区町村が369ある
全国1,892の市区町村のうち、訪問看護の掲載があるのは1,523市区町村です。裏を返すと、369の市区町村には1件もありません。住んでいる市区町村の中だけで探すと候補が出てこないことがある、ということです。
地元に無いときは、隣の市区町村まで範囲を広げて探すことになります。送迎のあるサービスなら市区町村をまたいで通えることもあるので、まず市区町村の担当課か地域包括支援センターに、どこまで通えるかを聞いてみてください。当サイトの市区町村ページは、掲載が0件のときに近隣の同じサービスを並べます。
食事のことをもっと詳しく
高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。