訪問介護の選び方!契約前に確かめたい見極め方
ケアマネジャーから候補をいくつか挙げてもらったものの、パンフレットを見比べても違いが分からない。訪問介護でよくある行き詰まりです。見るべきところは、実はそう多くありません。順に説明します。
全国には34,852件の訪問介護事業所があります。ただ、この数はほとんど意味を持ちません。ヘルパーが自転車や車で通える範囲にある事業所だけが候補になるので、実際に名前が挙がるのはせいぜい数か所です。その数か所を何で見分けるかを、順に説明します。
時間帯が合わなければ、そこで終わり
事業所を比べるとき、最初に確かめるのは、希望する曜日と時間に来られるかどうかです。どれだけ評判がよくても、朝七時の身じたくに来られない事業所は候補になりません。ここが合わないまま他の条件を比べても、あとで一から選び直すことになります。
早朝や夜間、土日に対応しているか、対応する場合に追加の料金がいくらかかるかを聞いてください。介護保険では早朝・夜間・深夜の訪問に割り増しが決まっていて、自己負担もその分だけ増えます。毎日のことなので、月の合計では小さくない差になります。
気をつけたいのは「ご相談に応じます」という返事です。これは、まだ空いているという意味ではありません。「来週の火曜と金曜、朝八時に入れますか」と、日と時間を出して聞いてください。答えが濁るようなら、その時間帯はすでに埋まっていると考えたほうがいいでしょう。
誰が来て、どれくらい入れ替わるのか
同じ人が続けて来るほうが、本人の負担は軽くなります。家の物のありか、体の動かし方の癖、触れてほしくないところ。それを毎回説明し直さずに済むというのは、思っている以上に大きな違いです。
担当は固定されるのか、日によって替わるのか。担当が休んだときに代わりに来る人は決まっているのか。職員のうち介護福祉士の資格を持つ人はどのくらいいるのか。そして、働いている人の入れ替わりは激しくないか。この四つを聞けば、その事業所の体制はだいたい見えます。
人の入れ替わりが激しい事業所は、引き継ぎが薄くなりがちです。前の人に伝えたことが次の人へ渡っておらず、家族が同じ説明を何度も繰り返すことになります。「長く勤めていらっしゃる方は多いですか」と一言聞くだけでも、返事の歯切れで見当がつきます。
急なときに連絡がつくか
訪問介護は自宅で受けるサービスなので、何かあったとき家族がその場にいないことがほとんどです。連絡の道筋を先に決めておけるかどうかが、そのまま安心の差になります。
営業時間の外に連絡できる先があるか。訪問したときに本人の具合が悪かった場合、誰にどう連絡が来るのか。離れて暮らしているなら、どのくらいの頻度で様子を知らせてもらえるのか。この三つを最初に決めておいてください。
「変わったことがあれば必ず連絡がほしい」と伝えておくと、事業所によっては報告の頻度をこちらの希望で決められます。何も言わないままだと、よほど大きなことが起きたときにしか連絡は来ません。
取りやめたときの決まり
入院や体調不良で直前に取りやめることは、必ず起きます。何時間前までなら無料か、当日の取りやめはいくらかかるかを、契約の前に確かめてください。
キャンセル料は事業所ごとに決めているため、金額に幅があります。前日までなら無料という事業所もあれば、当日は全額という事業所もあります。体調の波がある人ほど回数が重なるので、ここは実際の負担に直結します。
「できません」で終わらないか
介護保険では引き受けられないことが必ず出てきます。同居している家族のぶんの家事、日常の範囲を超えた大掃除、庭の手入れ、ペットの世話。これは制度の線引きなので、事業所を責めても仕方がありません。
見るべきなのは、そのときの返し方です。「できません」で終わる事業所と、「その部分は自費のサービスがあります」「地域のボランティアで頼めます」と別の道を出せる事業所とでは、その後の暮らしやすさが変わります。断り方に、その事業所が地域をどれだけ知っているかが表れます。
ケアマネジャーとの関係を見ておく
訪問介護の事業所とケアマネジャーが同じ会社に属していることがあります。連絡が速く、話が早いという利点があります。一方で、その会社のサービスばかりを勧められないかという点は、頭の隅に置いておいたほうがいいでしょう。
見分け方は難しくありません。候補を挙げてもらうときに「ほかの会社の事業所も含めて教えてください」と伝えることです。複数の候補を示すのは、もともとケアマネジャーの務めです。この一言で気を悪くされることは、まずありません。
契約書は、その場で読ませてもらう
契約の前に、契約書と重要事項説明書をその場で読ませてもらってください。見るのは、料金表で介護保険のぶんと自費のぶんが分けて書かれているか、キャンセル料と交通費などの実費、苦情の窓口として事業所の担当者名と市区町村の窓口の両方が書かれているか、物を壊したときの取り決めがあるか、といったところです。
すべてを理解する必要はありません。持ち帰って読みたいと言ったときに嫌な顔をされないかどうか。それ自体が、大きな判断材料になります。
面談で聞いてみるとよいこと
| 聞くこと | 見るところ |
|---|---|
| 「うちのような状態の方は、どれくらい担当されていますか」 | 経験の厚みと、答えの具体性 |
| 「初回は誰が来て、何をしますか」 | 段取りが決まっているか |
| 「本人が嫌がったときはどうされますか」 | 無理に進めない工夫があるか |
| 「記録は見せてもらえますか」 | 家族と共有する姿勢があるか |
どの問いも、答えの中身より答え方を見るためのものです。実際にあった例を挙げて話せるか、その場で分からないことを「確かめて折り返します」と言えるか。取り繕わない相手のほうが、始まってからの付き合いは楽になります。
決めたあとも、変えていい
訪問介護は、契約したら終わりではありません。相性が合わない、頼みたい内容が変わった、時間帯を変えたい。どれもケアマネジャーに伝えれば調整できます。
数週間使ってみて違和感が残るなら、遠慮せずに相談してください。言い出しにくいと感じる方が多いのですが、合わないまま続けるほうが、本人にとっても来てくれる人にとっても、良い形にはなりません。
対応できる時間帯で、絞られる
早朝、夜間、日曜。対応している事業所は限られます。 働きながら介護している家庭では、ここが最初の条件になります。
「対応可能」と書かれていても、実際に人を出せるかは別です。 希望する曜日と時間を伝えて、いま空いているかを聞いてください。 空きが無ければ、話は先へ進みません。
急な変更に、応じてもらえるか
通院が入った、体調が悪い、逆に急に来てほしい。日々の介護では、予定どおりに進まないことが続きます。
何日前までに言えば変えられるのかを聞いてください。 直前の取り消しに料金がかかる場合もあります。契約書に書かれています。
事業所の規模と、代わりの出しやすさ
職員が少ない事業所は、一人休むと止まります。代わりが出せるかどうかは、規模に左右されます。
何人が働いているか、常勤が何人かを聞いてください。 小さくても連携が取れているところはあります。「休みのときはどうなりますか」と直接聞くのが早いです。
合わなければ、替えられる
来る人と合わない、頼んだことが伝わらない。我慢して続ける必要はありません。
担当者だけを替える、事業所ごと替える。 どちらもできます。ケアマネジャーに伝えれば手続きしてもらえます。 このサイトの市区町村ページで、他にどんな事業所があるかを確かめられます。
- 大きな会社と、地域の小さな事業所はどちらがいいですか。
- 規模そのものより、希望の時間帯に人を出せるかどうかで決めてください。大きい事業所は代わりの人を立てやすく、小さい事業所は同じ人が長く担当しやすい、という傾向の違いはあります。どちらが良いかは、何を優先するかで変わります。
- 複数の事業所を同時に使えますか。
- 使えます。朝は近所の事業所、通院の付き添いだけ別の事業所、という組み方もできます。調整はケアマネジャーが行うので、「この時間だけ別のところに頼めますか」と相談してください。
- 見学はできますか。
- 訪問介護は事業所の建物ではなく自宅で受けるサービスなので、見学ではなく面談になります。契約の前にサービス提供責任者が自宅へ来て、様子を見ながら相談する場が設けられます。そのときの説明の分かりやすさが、いちばんの判断材料になります。
- 初回までに何を用意しておけばいいですか。
- 介護保険の被保険者証と、飲んでいる薬が分かるもの、緊急のときの連絡先を控えておけば足ります。あわせて、本人が嫌がることや触れてほしくない場所を書き出しておくと、最初の一回から余計な行き違いが減ります。
訪問介護の定員は、まんなかが30人
当サイトに掲載している訪問介護のうち、定員が分かっているのは8,124件です。その8,124件を小さい順に並べると、まんなかに来るのが30人でした。いちばん小さいところで1人、いちばん大きいところで20,250,204人と幅があります。
| 定員 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 10人以下 | 2,384件 | 29.3% |
| 11〜20人 | 894件 | 11% |
| 21〜30人 | 825件 | 10.2% |
| 31人以上 | 4,021件 | 49.5% |
いちばん多いのは31人以上の49.5%です。定員は大きいほどよい、小さいほどよいというものではありません。人数が多ければ行事や設備の幅が出やすく、少なければ職員の目が届きやすい、という違いがあるだけです。見学のときは定員そのものより、「その日に実際に何人来ているか」を聞いてください。定員いっぱいで動いている日と、半分の日とでは、同じ定員でも過ごし方が変わります。
日曜に開いている訪問介護は72.3%
34,852件のうち、日曜に開いているのは25,215件でした。土曜は29,605件(84.9%)、祝日は29,238件(83.9%)です。土曜と日曜で、開いているところの数はそれほど変わりません。
平日に働いている家族が付き添える日、あるいは家族が休みで介護を代わりにくい日に使いたいのであれば、この条件で候補はかなり絞られます。曜日は後から変えにくい条件なので、見学の順番を決める前に確かめておくと無駄がありません。当サイトの一覧は市区町村ごとに絞り込めるので、住んでいる地域で何件残るかを先に見てください。
訪問介護を運営しているのは24,743の法人
34,108件の運営者をたどると、24,743の法人にたどり着きます。1法人あたり1.4件という計算で、ほとんどが1か所だけを運営している法人です。系列で複数を持つ大きな法人は多くありません。
同じ法人が近くで複数を運営している場合、空きが出たときに融通が利いたり、別の種類のサービスを同じ法人でまとめられたりすることがあります。一方で、法人が大きいことと、その事業所が自分に合うかどうかは別の話です。運営法人は事業所ページに出しているので、気になったら同じ法人の他の事業所も見てみてください。
なお、公式サイトを届け出ているのは21,078件(60.5%)です。サイトが無い事業所が悪いということではありませんが、事前に様子を知りたいときは、まず電話で聞くことになります。
訪問介護が1件も無い市区町村が116ある
全国1,892の市区町村のうち、訪問介護の掲載があるのは1,776市区町村です。裏を返すと、116の市区町村には1件もありません。住んでいる市区町村の中だけで探すと候補が出てこないことがある、ということです。
地元に無いときは、隣の市区町村まで範囲を広げて探すことになります。送迎のあるサービスなら市区町村をまたいで通えることもあるので、まず市区町村の担当課か地域包括支援センターに、どこまで通えるかを聞いてみてください。当サイトの市区町村ページは、掲載が0件のときに近隣の同じサービスを並べます。
食事のことをもっと詳しく
高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。