月額だけを見て決めない。施設の費用の見方

介護の窓口 編集部公開 2026-08-22最終更新 2026-08-25

「月◯万円から」の「から」に何が入っていないかを見るのが、比べ方の要点です。

分けて数える

施設で毎月かかるもの
項目中身
介護サービス費要介護度に応じた額の1割から3割
居住費部屋代。個室か多床室か、ユニット型かで変わる
食費1日あたりで決まっていることが多い
日常生活費理美容、レクリエーション、日用品
その他おむつ代、医療費、通院の付き添い、電話代

介護保険の施設では、居住費と食費に負担限度額認定が効きます。 所得と資産の条件に当てはまれば下がるので、申請せずに「高いから無理」と決めないでください。

負担限度額認定が効かない住まいもある

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の家賃・食費には、負担限度額認定は使えません。 効くのは介護保険の施設(介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院)と、ショートステイです。ここを混同すると資金計画が狂います。

一時金があるとき

入居時に一時金を求める施設では、何年分の家賃の前払いなのか(償却期間)、途中で出るときいくら戻るのか(返還の計算)、亡くなったときはどうなるかの3つを書面で確かめます。

短期間で退去したときの返還額は、必ず書面で確かめてください。 一定期間で償却される契約だと、数か月で亡くなった場合にほとんど戻りません。「クーリング・オフができる期間」の定めも重要事項説明書に書かれています。

重くなったときいくらになるか

要介護度が上がると介護サービス費が上がります。入居時の月額ではなく、要介護5になったときの月額を必ず聞いてください。 特定施設の指定が無い住まいでは、外部サービスの積み上げで大きく変わります。

払えなくなったときにどうなるかも、契約の前に聞いておきます。 滞納が続けば退去を求められます。年金と貯金で何年持つかを、要介護5の月額で計算し直してください。

同じ形に並べ直さないと比べられない

施設ごとに、パンフレットの書き方が違います。食費を含めているところ、おむつ代を別にしているところ、管理費という名前でまとめているところ。そのまま並べても比べられません。

紙を一枚用意して、施設ごとに同じ項目を書き出してください。介護サービス費、部屋代、食費、日用品、おむつ、医療費、その他。空欄が残ったところが、聞き漏らしている項目です。

医療費は、別に積み上がる

施設の費用の話をしていると、医療費が抜け落ちます。往診の費用、薬代、通院したときの交通費、入院したときの費用。歯科の訪問診療を受ければ、その分もかかります。

入院しているあいだも、施設の部屋代は払い続けることが多くあります。 何日まで部屋を空けておいてもらえるのか、そのあいだの費用がどうなるのかは、契約の前に確かめてください。医療と介護が重なる年は、高額医療・高額介護合算療養費も見ておきます。

負担を軽くするしくみは、申請しないと動かない

居住費と食費が下がる負担限度額認定も、月々の上限を超えた分が戻る高額介護サービス費も、こちらから申請して初めて働きます。黙っていて自動的に安くなることはありません。

所得や資産の状況で対象が変わるので、自己判断で諦めないでください。 世帯の状況や年金の額によって扱いが変わることもあります。お住まいの市区町村の窓口で、いまの状態を伝えて確かめるのがいちばん確実です。

住んでいた家を、どうするか

施設に入っても、家はそのまま残ります。固定資産税、火災保険、電気やガスの基本料金、庭の手入れ。誰も住んでいない家にも、毎月お金がかかり続けます。

売る、貸す、そのまま置いておく。どれを選ぶにしても、本人の判断力があるうちでないと動かせません。 施設の費用を家の売却でまかなうつもりなら、その時期に間に合うかどうかを先に考えておいてください。

月額だけを比べない

案内に出ている金額は、基本の部分だけであることがあります。おむつ代、日用品、理美容、レクリエーション、医療費、通院の付き添い。

実際に払っている総額を聞いてください。 「入居している方は、だいたい月いくらになっていますか」と尋ねるのがいちばん早いです。 提示額との差が見えます。

状態が変われば、費用も変わる

要介護度が上がる、医療の手当てが増える、部屋を移る。入居時の金額のまま続くとは限りません。

どういうときに、どれくらい変わるかを、契約の前に聞いてください。 書面に書かれている場合があります。「変わることがあります」で済ませない。

負担を軽くするしくみがある

所得や資産に応じて、食費や部屋代の負担を軽くするしくみや、支払った額が一定を超えたときに戻るしくみがあります。申請しなければ適用されません。

対象になるかは市区町村の窓口で確かめられます。 施設の相談員も把握しています。知らずに満額を払い続けている家庭があります。

何年続けられるかで考える

入居のときに払える額かどうかではなく、年金と貯えで何年もつかを計算してください。

本人の財産が尽きたときに、誰が払うのか。 家族の間で先に話しておいてください。途中で払えなくなると、住まいを移すことになります。 そこがいちばん本人に負担がかかります。

高額介護サービス費は施設でも使えますか。
介護サービス費の部分には使えます。居住費・食費・日常生活費は対象外です。医療費が重なる年は、高額医療・高額介護合算療養費も確かめてください。
費用の目安はどこで分かりますか。
介護サービス情報公表システムに、施設ごとの費用が載っています。ただし最終的な額は契約書と重要事項説明書で確かめてください。

この記事の出典

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