「終の住処」と書かれていても、条件が付いていることがある
この確認を入居前にしておくかどうかで、いちばん大変な時期に住み替えを迫られるかが変わります。
聞く順番
- この施設で亡くなった方は、この1年で何人いますか
- 看取りのとき、医師はどう関わりますか
- 夜間に急変したらどうしますか
- 家族はどこまで付き添えますか
- 看取りができないと判断されるのは、どんなときですか
最後の質問がいちばん大事です。 「看取りまで対応します」と言う施設でも、医療的な管理が常時必要になった場合を除くといった条件が付いていることがあります。
医療との関係
看取りができるかどうかは、協力医療機関がどこまで関わるかで決まります。往診に来てくれるか、24時間の連絡が付くか、死亡診断ができるか。この3つが揃っていないと、最期に救急搬送になります。
介護老人保健施設や介護医療院は医師が配置されています。 特定施設の指定を受けた住まいでは、外部の医療機関との協力の形が施設ごとに違います。
本人の意思を先に共有する
入居のときに、延命の希望、救急搬送の希望、どこで最期を迎えたいかを施設と共有しておきます。人生会議で話しておいた内容があれば、それを渡してください。
入院すると戻れないことがある
入院中も部屋を空けておいてもらえるか、その間の費用はどうなるか、何日を超えると契約が終わるか。この3点を契約書で確かめてください。 「入院したら退去」の定めがあると、退院先を一から探すことになります。
決める場面は、家族に回ってくる
食べられなくなったとき、点滴をするか。肺炎になったとき、病院へ運ぶか。本人が自分で言えない状態になっていると、この判断は家族に回ってきます。
その場で初めて考えることになると、多くの家族は「できることは全部してください」と言います。それが悪いのではありません。ただ、本人が望んでいたかどうかは、そのとき誰にも分からなくなっています。 だから、元気なうちに聞いておく意味があります。
施設と医療のあいだで、家族が伝書鳩にならないように
施設の職員が言うことと、病院の医師が言うことが噛み合わないまま、家族が両方の話を運ぶ形になることがあります。いちばん疲れる形です。
施設の看護職員と、協力医療機関の医師が直接やりとりする形になっているかを確かめてください。 家族が間に立つ場面が多い施設は、いざというときにも同じことが起きます。
亡くなったあとの流れも、聞いておける
縁起でもないと感じるかもしれませんが、その日になってから調べる余裕はありません。誰が死亡診断書を書くのか、どこへ連絡するのか、部屋の荷物をいつまでに引き取るのか。
葬儀社を決めていないと、施設が紹介するところにそのまま頼むことになります。 決めておく必要はありませんが、何を決めることになるのかだけは知っておいてください。一時金の精算がある施設では、その扱いも確かめておきます。
見送ったあとの家族のこと
長く介護してきた人ほど、終わったあとに気持ちの置き場をなくします。やることが急に無くなり、あれでよかったのかと繰り返し考える。
それは、介護をしてきた人の多くが通るところです。 施設が家族会や、見送ったあとの集まりを開いていることがあります。地域包括支援センターや家族の会も、同じ経験をした人と話せる場を知っています。
対応できるかは、施設ごとに違う
同じ種類の施設でも、最期まで居られるところと、そうでないところがあります。制度の区分では決まりません。
入る前に「最期まで居られますか」と直接聞いてください。 過去に何人を看取ってきたかを尋ねると、実際のところが分かります。
医療との関わり方を確かめる
看護職が夜間もいるか、協力してくれる医療機関がどこか、往診に来てもらえるか。ここで対応できる範囲が決まります。
痛みへの手当てをどうするかも聞いてください。 対応できないときは、病院へ移ることになります。その判断を誰がするのかも、先に確かめてください。
本人の希望を、書いて残す
どこで最期を迎えたいか、どこまでの手当てを望むか。言えるうちに聞いておかなければ、家族が推測で決めることになります。
施設と医療機関の両方に、同じ内容を伝えてください。 一度決めても、気持ちは変わります。変わったら書き直せばよいものです。
家族が呼ばれたときに、迷わないように
容体が変わったという連絡は、夜中に来ます。そのとき考える余裕はありません。
誰が最初に連絡を受けるか、誰に伝えるか、どれくらいで着けるか。 先に決めておいてください。遠方の家族には、間に合わないこともあると伝えておくほうが、後の傷が浅くなります。
- 家族が泊まり込めますか。
- 施設によります。個室かどうか、感染対策の状況によっても変わるので、入居のときと、そのときの両方で確かめてください。
- 看取りの実績がない施設は避けるべきですか。
- 避けるべきとは限りません。新しい施設や、在宅復帰を目的とする施設では実績が少なくなります。大事なのは、できない場合にどうなるかを先に聞いておくことです。
この記事の出典
- 厚生労働省人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドラインPDF2026-08-22 確認
- 厚生労働省有料老人ホームの設置運営標準指導指針について2026-08-22 確認
- 福祉医療機構 WAM NET介護保険サービス一覧2026-08-22 確認
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