もの忘れ外来の探し方と、受診の日に持っていくもの

介護の窓口 編集部公開 2026-08-22最終更新 2026-08-25

「どこで診てもらえばいいのか」で止まってしまう家族が多いところです。入口は3つあり、どれから入っても構いません。

入口は3つ

一つ目はかかりつけ医です。ふだんの様子と持病を知っているので、まずここに相談するのがいちばん自然で、必要なら紹介状を書いてもらえます。

二つ目は認知症疾患医療センターです。都道府県と政令市が指定した専門の医療機関で、診断と、そのあとの相談を引き受けます。三つ目は地域包括支援センターで、医療機関そのものではありませんが、その地域で受診しやすいところを教えてくれます。

何を調べるのか

受診で行われること
調べ方見ているもの
問診いつから、どんな変化が、どれくらいの頻度で起きているか
認知機能の検査記憶・見当識・計算・言葉などの働き
画像検査脳の萎縮、脳梗塞や出血、水頭症や血腫の有無
血液検査甲状腺の働き、ビタミンの不足など、治せる原因
認知機能の検査の点数だけで診断は決まりません。 緊張や体調、聞こえにくさでも点は下がります。家族から聞く暮らしの様子と、画像や血液の結果を合わせて判断されます。

受診の日に持っていくもの

  • 健康保険証、お薬手帳(飲んでいる薬すべて。市販薬とサプリメントも)
  • いつから何が起きているかを書いた記録
  • 紹介状(かかりつけ医からもらえた場合)
  • 介護保険被保険者証(持っている場合)

家族が一緒に行ってください。 本人だけでは「困っていません」で終わることが多く、診断に必要な情報が医師に届きません。本人の前で言いにくいことは、紙に書いて渡す方法があります。

診断がついたあと

診断は終わりではなく、そこから使えるものが増えます。要介護認定の申請ができ、主治医意見書を書いてもらう相手も決まります。認知症疾患医療センターは診断後の相談も引き受けています。

予約が取りにくいことを、先に見込んでおく

専門の外来は数が限られており、初診まで待つことがあります。紹介状が要る医療機関もあります。

待つあいだも、できることはあります。要介護認定の申請は診断がなくても出せますし、地域包括支援センターへの相談も先に始められます。「診てもらってから考える」と全部を止めると、その分だけ暮らしの手当てが遅れます。

当日の条件をそろえておく

検査は、体調や環境でも結果が動きます。眠れていない、痛みがある、聞こえにくいのに補聴器を忘れた、眼鏡が合っていない。こうした条件がそろうと、本来の力より低く出ます。

補聴器と眼鏡は必ず持っていってください。 本人が調子の良い時間帯に予約を取ることも、地味ですが効きます。夕方に混乱しやすい人であれば、午前中のほうが落ち着いて受けられます。

本人の前で言いにくいことを、どう伝えるか

診察室で家族が困りごとを並べると、本人が傷つき、その場で怒り出すことがあります。それを避けようとして何も言わないと、今度は医師に情報が届きません。

手紙にして先に渡す、看護師に伝えておく、本人が検査を受けているあいだに話す。どのやり方でも構いませんが、伝えないという選択だけは避けてください。 家族からの情報は、診断の材料そのものです。

診断のあと、どこに通い続けるか

専門の外来は、診断とそのあとの見立てを担うところで、ずっと通う場所とは限りません。多くの人は、ふだんの体のこととあわせて、かかりつけ医のところへ戻ります。

要介護認定で主治医意見書を書くのは、ふだん診てもらっている医師です。 誰に書いてもらうか、薬はどこで出してもらうか、具合が変わったときにどちらへ連絡するか。この三つを、診断がついた日に決めておくと迷いません。

受診に連れて行くのが、いちばん難しい

「もの忘れの検査に行こう」と正面から言って、素直に応じる人は多くありません。断られると、次に誘うのがさらに難しくなります。

かかりつけ医から勧めてもらう方法があります。 家族が先に事情を伝えておけば、健康診断や持病の診察の流れで話を出してもらえます。 「家族に言われた」より通りやすくなります。

家族の話が、診断の材料になる

本人は困っていないと言います。いつから、どんなことが起きているかを伝えられるのは家族だけです。

日付と出来事を書いた紙を持って行ってください。 本人の前で言いにくいことがあれば、先に渡す方法があります。受診の予約のときに、その旨を伝えておくと段取りしてもらえます。

一度で終わらないことがある

検査や画像、経過を見ることが必要になり、その日のうちに結論が出ないことがあります。

「はっきりしない」と言われても、無駄ではありません。 その時点の状態が記録に残ります。半年後、一年後に比べる材料になります。 途中でやめないでください。

診断のあとに、生活の相談へつなぐ

医療機関で分かることと、暮らしをどう組むかは別の話です。病院で説明を受けただけでは、家での困りごとは減りません。

地域包括支援センターと、介護保険の申請へつないでください。 医療機関に相談員がいれば、そこから紹介してもらえます。このサイトの市区町村ページに、相談先を載せてあります。

本人が受診を拒みます。
無理に連れて行かず、まず家族だけで地域包括支援センターや認知症疾患医療センターに相談できます。訪問して様子を見る認知症初期集中支援チームが動く地域もあります。
診断がつくと運転免許はどうなりますか。
認知症と診断された場合、運転免許は取り消しか停止の対象になります。診断を避ける理由にせず、移動の手立てを先に用意してから進めるほうが、本人の暮らしを守れます。

この記事の出典

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