認知症のことを、どこに相談すればいいのか
受診を拒まれて止まってしまう家族が多いところですが、診断がついていなくても、本人が来られなくても、相談できる先があります。
まず、地域包括支援センター
どこに相談すればいいか分からないときの入口はここです。 市区町村が設けている相談窓口で、介護保険の手続きだけでなく、受診の進め方、家族の困りごと、お金の管理まで受けます。相談は無料です。
本人が来られなくても、家族だけで相談できます。 「まだ診断もついていないのに」と遠慮する必要はありません。診断前の段階こそ、相談の中身が濃くなります。
専門の窓口
| 窓口 | できること |
|---|---|
| 認知症疾患医療センター | 専門の医療機関としての診断、診断後の医療と生活の相談 |
| 認知症初期集中支援チーム | 受診につながっていない人の家を訪ね、医療と介護につなぐ |
| 認知症地域支援推進員 | 市区町村に置かれ、医療・介護・地域のつなぎ役になる |
| 認知症カフェ | 本人と家族、地域の人、専門職が集まって話せる場 |
同じ立場の人と話す
専門職に相談して整理はついても、気持ちが軽くならないことがあります。同じ経験をしている家族と話す場は、そこに効きます。認知症カフェや、家族の会の集まりがそれにあたります。
「うちだけではなかった」と分かるだけで続けられることがあります。介護している人が倒れると、本人の暮らしも一緒に崩れます。 自分のために相談する時間を取ることは、遠回りではありません。
緊急のとき
- 行方が分からない … ためらわず110番。あわせて地域包括支援センターへ
- 急に様子がおかしい、けがをした … かかりつけ医か救急。迷ったら♯7119
- 手が出そう、限界だ … 地域包括支援センターへ。責める場所ではない
相談の前に、書き出しておく
窓口に着いてから話し始めると、聞かれたことに答えるだけで終わってしまうことがあります。困っていることを全部伝えられないまま、次の予定に押し出されます。
いつから何が起きているか、いま何にいちばん困っているか、家族の側の事情(働いている、遠くに住んでいる、ほかにも介護している人がいる)。紙一枚にまとめて持っていくと、話が一度で通ります。渡してしまえば、そのまま記録に残ります。
動かないと感じたときは、伝え方を変える
相談したのに何も変わらない、という声はよく聞きます。多くの場合、緊急の度合いが伝わっていません。「大変です」ではなく、起きていることをそのまま話してください。
何日眠れていないか、何回外に出たか、仕事を何日休んだか。数で伝えると、受け取る側の判断が変わります。 それでも動かないときは、市区町村の担当課に直接相談する道があります。
職場に伝えるかどうか
隠したまま働き続けて、急な休みが増え、結果として辞めることになる人がいます。介護を理由に仕事を辞めると、そのあとの生活も、介護の費用も苦しくなります。
介護休業や介護休暇、短時間勤務といった制度は、法律で定められています。使うには、勤め先に事情を伝える必要があります。 どこまで話すかは選べます。人事の担当者にだけ伝える、という形も取れます。
本人が出られる場を、残しておく
相談の場が、家族だけのものになりがちです。本人の見ているところで話しにくいのは分かりますが、本人が何も知らされないまま物事が決まっていくと、いちばん納得しません。
認知症カフェのように、本人も一緒に行ける場があります。行き先を決めるとき、住まいを変えるとき、本人の言葉を一度は聞いてください。 診断がついていても、望みを言えなくなっているわけではありません。
最初の一か所は、地域包括支援センター
どこに言えばよいか分からないときは、ここです。認定を受けていなくても、診断が出ていなくても相談できます。
費用はかかりません。 担当する区域が決まっているので、住んでいる場所で決まります。 このサイトの市区町村ページに、その市区町村のセンターを載せてあります。
医療の相談先は、別にある
診断や治療のことは、医療機関の役目です。かかりつけ医、もの忘れの相談ができる医療機関、専門の医療センター。
どこにかかればよいか分からないときも、まずかかりつけ医に聞いてください。 紹介してもらえます。市区町村の担当課も、地域の医療機関を把握しています。
家族どうしで話せる場がある
専門職に相談することと、同じ立場の人と話すことは別のものです。同じ経験をした人にしか分からないことがあります。
家族の会や、地域の集まりが各地にあります。 気軽に立ち寄れる場を設けている市区町村もあります。地域包括支援センターに、近くにあるかを聞いてください。
緊急のときの先を、決めておく
行方が分からなくなった、暴力が出た、火を出しかけた。その場で調べる時間はありません。
警察、消防、地域包括支援センター、ケアマネジャー、かかりつけ医。 番号を一枚にまとめて、電話のそばに貼っておいてください。同居していない家族にも、同じものを渡しておいてください。
- 相談にお金はかかりますか。
- 地域包括支援センター、認知症疾患医療センターの相談、認知症初期集中支援チームの訪問は費用がかかりません。医療機関での診察や検査には、通常の医療費がかかります。
- 認知症サポーターとは何ですか。
- 講座を受けて、認知症を正しく理解し、身近な人を手助けする人のことです。資格や義務があるわけではありません。家族が受けると、周りに理解者を増やすきっかけになります。市区町村で開かれています。
この記事の出典
- 厚生労働省認知症に関する相談先2026-08-22 確認
- 厚生労働省主な認知症施策2026-08-22 確認
- 国立長寿医療研究センターもの忘れセンター外来2026-08-22 確認
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