運転をやめてもらう話の進め方

介護の窓口 編集部公開 2026-08-22

車を取り上げると、買い物も通院も止まります。話が進まないのは頑固さのせいではなく、代わりが無いからであることが多くあります。

制度の側の決まり

75歳以上の人が免許を更新するときは、認知機能検査を受けます。結果によっては医師の診断が求められ、認知症と診断された場合、免許は取り消しか停止になります。

また、一定の違反をした75歳以上の人には運転技能検査があります。家族が説得できなくても、制度の側で止まる道はあります。 ただし更新の時期まで待つことになるため、その間の安全は別に考えます。

危ないと感じるとき

  • 車体の傷やこすった跡が増えている
  • 車庫入れに時間がかかる。壁や門にぶつける
  • 同乗すると、車線の真ん中を保てない、信号や標識を見落とす
  • 道に迷う。よく行く場所で曲がる場所を間違える
  • ブレーキとアクセルの踏み替えがぎこちない
各都道府県の警察に安全運転相談窓口(#8080)があります。家族からも相談できます。「やめさせたい」ではなく「こういうことが起きている」と伝えれば、その先の進め方を教えてもらえます。

代わりの足を先に用意する

返納の話が進まない最大の理由は、車が無くなると暮らしが止まることにあります。買い物、通院、家族の送り迎え。ここを埋めないまま鍵を隠しても、隠し場所を探す争いになるだけです。

通院には介護タクシーや、市区町村の移送サービスがあります。買い物には配食サービスや、移動販売、宅配が使えます。ケアマネジャーと地域包括支援センターに、その地域で使えるものを一覧にしてもらってください。

自主返納と運転経歴証明書

自分で免許を返すことを自主返納といいます。返納すると運転経歴証明書が交付され、身分証明書として使えます。免許証が身分証の代わりだった人にとって、これが無いと不便になるので、必ず一緒に手続きします。

返納した人に対して、バスやタクシーの割引などを設けている地域があります。特典は地域ごとに違うので、返納の前に調べておくと、話の材料になります。

全部やめる、以外の段階がある

「運転をやめるか、続けるか」の二択にすると、話がこじれます。あいだにいくつも段階があります。

夜は乗らない、雨の日は乗らない、高速道路は使わない、行き先を近所に限る、遠出のときは家族が運転する。まず一つ約束して、守れているかを一緒に確かめるほうが、話が前に進みます。約束が守れなくなってきたこと自体が、次の話をする材料になります。

事故が起きたあとに背負うもの

本人がけがをするだけでは済みません。人を巻き込めば、賠償の責任が生じます。認知症があることを家族が知っていた場合、家族の側の責任が問われることもあります。

脅すために書いているのではありません。「本人の自由だから」と話を止めてしまうと、いちばん重い結果を家族全員で背負うことになります。 保険の内容も、この機会に確かめておいてください。

車を手放す段取りまで決めておく

免許を返したのに車が家にある、という状態がいちばん危ういところです。鍵の場所を覚えていて、乗ってしまうことがあります。

売るのか、家族が引き取るのか、いつまでに動かすのか。車検や保険、駐車場の契約をどうするのかも一緒に決めます。日付を決めて、家族の誰が手続きをするかまで書いておいてください。 曖昧にすると、そのままになります。

やめたあとの外出を、先に決める

運転をやめた人の暮らしで、いちばん減るのは買い物と通院、そして人と会う機会です。外に出なくなると、体も気持ちも落ちていきます。

送迎のあるデイサービス、通院に使える介護タクシー、配食や宅配。「車の代わり」を一つずつ当てはめてください。 どんな事業所が近くにあるかは、当サイトの市区町村ページで見られます。

取り上げると、暮らしが止まる

車が無いと買い物にも病院にも行けない地域があります。運転をやめる話は、移動をどうするかとセットでなければ進みません。

「危ないからやめて」だけでは、まず通りません。 代わりの足を先に用意してください。 家族の送迎、地域の移動サービス、介護タクシー、買い物の配達。このサイトでは、介護タクシーや配食を市区町村ごとに載せています。

本人の誇りに関わる

長年運転してきた人にとって、免許は生活の道具であると同時に、自分でやれることの証でもあります。取り上げられると感じると、強く抵抗します。

家族が繰り返し言うと、関係のほうが壊れます。 医師や、警察の相談窓口から話してもらう方法があります。第三者の言葉のほうが通ることがあります。

返納したあとの支援がある

免許を返した人に、バスやタクシーの割引などを用意している市区町村があります。内容は地域ごとに違います。

返す前に、何が受けられるかを調べておいてください。 具体的な代わりが見えると、話が進みやすくなります。市区町村の担当課で確かめられます。

事故が起きてからでは遅い

ぶつけた跡が増えている、道を間違える、車庫入れができなくなった。すでに合図は出ています。

起こしてしまえば、本人も家族も一生背負います。 相手のいる事故ならなおさらです。言いにくくても、先送りにしないでください。 話し合いの場に、医師やケアマネジャーを入れてください。

本人がどうしても納得しません。
家族が言うと反発しても、医師や警察の相談窓口から言われると通ることがあります。役割を分けてください。診断がついている場合は、制度の側で免許が止まることも伝えられます。
返納したあと、後悔しているようです。
運転をやめると外出が減り、気持ちが落ちることがあります。返納そのものより、そのあとの外出をどう保つかが要点です。デイサービスや通いの場、送迎のあるサービスで、出かける用事を残してください。

数えてみると、通所介護の多い地域と少ない地域

通所介護は、当サイトの掲載で24,473件あります。65歳以上1万人あたりにすると全国で6.8件です。定員が分かっている10,706件では、まんなかの定員が30人でした。運営しているのは14,326の法人です。

65歳以上1万人あたりで多い順に並べると、上位は沖縄県・群馬県・宮崎県です。この上位5県には、高齢化率で全国10位以内に入る都道府県が1つもありません。高齢者が多い地域ほど通所介護が多い、という関係にはなっていません。少ないほうは北海道・神奈川県・秋田県の順です。

掲載があるのは全国1,892市区町村のうち1,710市区町村で、182の市区町村には1件もありません。制度として使えることと、住んでいる場所で実際に選べることは別だ、ということです。お住まいの市区町村に何件あるかは、当サイトの市区町村ページで確かめられます。

この節の数字は、当サイトが掲載している通所介護を数えたものです。もとになっているのは厚生労働省「介護サービス情報公表システム」のオープンデータと、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」の年齢階級別人口です。どちらも更新のたびに、この数字も変わります。

この記事の出典

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