シニア向け分譲マンションとは?買う住まいと、介護の受け方

介護の窓口 編集部公開 2026-08-23

賃貸ではなく買う住まいです。資産として残せる一方、介護が重くなったときに住み替えようとすると、売れるかどうかという別の問題が出てきます。

買う住まいであること

シニア向け分譲マンションは、ふつうの分譲マンションと同じく区分所有権を買います。 賃貸ではないので、所有者として管理組合に加わり、固定資産税を払います。

建物には、段差の無い床、広い廊下、浴室の手すりといったバリアフリーの設備が入っています。食堂・大浴場・談話室などの共用部を持つものが多く、生活相談や見守りのサービスが付きます。

制度のうえでの位置づけ

シニア向け分譲マンションという制度は、法律のうえには存在しません。あくまで分譲住宅の売り方の呼び名です。

ただし、食事の提供・介護・家事・健康管理のいずれかを行う場合は老人福祉法上の有料老人ホームにあたり、都道府県などへの届出が要ります。食事を出す分譲マンションは、この届出をしているかどうかを確かめてください。

届出をしている住まいは、重要事項説明書を備えて公開することが求められています。重要事項説明書が出てこない住まいは、それだけで避ける理由になります。

費用の内訳

内訳目安
購入費2,000万円から1億円以上(立地と広さによる)
管理費・修繕積立金月に3万円から10万円
サービス費(生活相談・見守りなど)月に2万円から10万円
食費(頼んだ場合)月に4万円から6万円
固定資産税年に数万円から数十万円

買ったあとも毎月かかる額が大きいのがこの住まいの特徴です。管理費とサービス費を合わせると、賃貸のサービス付き高齢者向け住宅と変わらない月額になることがあります。購入費だけで比べないでください。

金額はいずれも目安です。同じ種類でも、地域と建物と事業者によって倍ほど違うことがあります。介護保険の自己負担は1割として書いています(所得により2割・3割)。正確な額は、その住まいの重要事項説明書と見積もりで確かめてください。

介護が必要になったとき

介護は外部の事業所から受けます。訪問介護を頼み、通所介護に通う形で、在宅と同じ組み立てです。介護保険の上限(区分支給限度基準額)の中でやりくりし、超えた分は全額自己負担になります。

併設や提携の介護事業所を持つマンションもありますが、使う事業所は自分で選べます。ケアマネジャーも自由に選べるので、売主と同じ会社に固定する必要はありません。

売るとき、相続するとき

  • 買い手が高齢者に限られるため、ふつうの中古マンションより売りにくくなります
  • 管理費とサービス費が高いほど、買い手はさらに絞られます
  • 入居時の年齢制限がある建物では、相続した家族が住めないことがあります
  • 介護が重くなって住み替えるとき、売れるまで二重の負担がかかる場合があります
「資産として残る」という説明を、そのまま受け取らないでください。残るのは所有権であって、換金しやすさではありません。同じ建物の中古がいくらで、どれくらいの期間で売れているかを契約前に調べてください。

サ高住・住宅型有料老人ホームとどう違うか

同じような設備とサービスがついていても、持ち方が違うと困りごとの出方が変わります。3つを並べます。

見るところシニア向け分譲マンションサ高住住宅型有料老人ホーム
権利所有権(買う)賃借権または利用権利用権が多い
出るとき売る(買い手を探す)解約して出る解約して出る
毎月かかるもの管理費・修繕積立金・サービス費家賃・共益費・サービス費
行政の関与登録も指定も無いことが多い都道府県への登録老人福祉法の届出
介護が重くなったら外部のサービスで足りる範囲まで同じ同じ(介護付きは別)

出るときの手間がいちばん重いのが、買う形です。解約すれば終わる住まいと違い、買い手が見つかるまで管理費と修繕積立金を払い続けることになります。

買う前に確かめること

確かめることどこで分かるか
修繕積立金がこの先いくらに上がるか長期修繕計画
サービス費が管理組合の決議で変えられるか管理規約と契約書
サービスを行う事業者が変わったらどうなるか契約書の委託の条項
同じ建物の中古がいくらで売れているか不動産の取引情報(レインズ・不動産情報ライブラリ)
入居に年齢の制限があるか管理規約
介護が必要になった入居者がいま何人いるか管理組合や運営事業者に聞く

サービス費は家賃ではないので、使わなくても払い続けます。食堂を使わなくなった、送迎が要らなくなったという段階でも、定額の部分は減りません。10年後20年後に払い続けられる額かどうかで見てください。

判断に迷うときは、契約前に消費生活センター(局番なしの188)に相談できます。高齢者向けの住まいをめぐる相談は、国民生活センターにも数多く寄せられています。

買うものであって、借りるものではない

ここは不動産の売買です。入居するのではなく、所有することになります。

だから、相続の対象になります。 売れるかどうか、貸せるかどうかを、買う前に考えてください。 後で処分に困る例があります。

管理費は、ずっとかかる

購入した後も、管理費、修繕の積立、サービスの費用が毎月かかります。住まなくなっても、かかり続けます。

将来上がる可能性も含めて、見通しを立ててください。 年金で払い続けられるかどうか。買った時点の額で考えないことです。

介護が必要になったら、別に契約する

建物にサービスが付いていても、介護そのものは外部のサービスを使うことになります。

どこまで対応してもらえるのかを、契約の前に確かめてください。 介護が重くなったときに住み続けられるかも同じです。「安心」という言葉の中身を、具体的に聞く。

要介護になっても住み続けられますか。
外部のサービスで足りる範囲なら住み続けられます。夜間に何度も介助が要る段階になると、在宅と同じ壁にあたるので、介護付き有料老人ホームなどへの住み替えを考えることになります。
サービス付き高齢者向け住宅とどちらがよいですか。
資産として持ちたいか、身軽でいたいかの違いです。住み替えの見通しが立たないうちは、売る手間のかからない賃貸のほうが動きやすくなります。
入居時に年齢の条件はありますか。
建物によります。60歳以上、または介護が必要でないことを条件にするところが多く、管理規約に書かれています。買う前に必ず読んでください。
空き部屋が増えると何が起きますか。
管理費と修繕積立金を負担する所有者が減り、一戸あたりの負担が上がります。共用のサービスが縮小されることもあります。管理組合の収支と空室率は、購入前に確かめる項目です。

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