訪問入浴介護の選び方!事業所を比べるときの見どころ
訪問入浴介護は、どの事業所でも中身が同じに見えます。実際に差が出るのは、体調がすぐれない日の判断と、家に入ってからの気配りです。その二つがどこに表れるかを、順に説明します。
訪問入浴介護は全国で1,527件、65歳以上1万人あたり0.4件しかありません。選ぶというより、来られる事業所が一つ二つ見つかるかどうか、という地域も珍しくありません。候補が少ないぶん、その一つが自分の家に合うかを見る目が要ります。
看護職員が毎回来るかどうか
訪問入浴は、看護職員一人と介護職員二人の三人で来るのが基本の形です。ただ、介護職員だけの二人体制で来る事業所もあります。費用は少し安くなりますが、その日に入浴してよい体調かどうかを判断する人がいないことになります。
持病がある場合、血圧が安定しない場合、医療的な処置を受けている場合は、看護職員が同行する体制を選んでください。湯船に入るというのは、思っている以上に体に負担がかかります。判断できる人がその場にいるかどうかは、費用の差より大きな意味を持ちます。
見合わせる基準を持っているか
「熱が何度以上なら中止ですか」「血圧がどこまでなら入れますか」と聞いてみてください。数字で答えられる事業所は、判断の基準を持っています。「その日の様子を見て」としか答えられない場合、判断が来る人ごとに揺れることになります。
併せて、見合わせたときにどうするかも確かめておきます。体を拭くだけにする、足だけ湯につける、髪を洗うところまでにする。こうした切り替えができる事業所なら、「今日は入れませんでした」で終わらずに済みます。本人にとっては、さっぱりできたかどうかがすべてです。
どこまでが実費になるか
介護保険の自己負担のほかに、実費がかかることがあります。お湯を事業所が持ってくるのか自宅の給湯を使うのか、水道代と電気代をどう扱うのか、駐車場代が必要かどうか。事業所ごとに決め方が違うので、契約の前に聞いてください。
取りやめたときの決まりも同じです。体調で当日に中止することが多いサービスなので、何時間前までなら費用がかからないのかは、実際の負担に直結します。
希望する曜日と時間に入れるか
訪問入浴は、湯船を積んだ車で一日に回れる件数が限られます。そのため、希望の時間帯がすでに埋まっていることがよくあります。午前がいいのか午後がいいのか、こちらの希望を先に伝えて、日にちを出して空きを確かめてください。
本人の生活の流れも考えます。午前に入って昼寝をする形が合う人もいれば、午後に入って夜ぐっすり眠るほうが合う人もいます。始めてから合わないと感じたら、ケアマネジャーに伝えて時間帯を変えてもらえます。
家の中でどう振る舞うか
湯船を運び込むので、家具を動かすことになります。終わったあとに元へ戻してもらえるか、髪を乾かすところまでしてもらえるか、爪切りやひげそりを頼めるか。細かいようですが、毎回のことなので積み重なります。
そしてもうひとつ、入浴は全身の皮膚を毎回見てもらえる数少ない機会です。床ずれの始まり、覚えのないあざ、皮膚の乾燥。気づいたことを記録して家族やケアマネジャーへ伝える習慣がある事業所は、体調の変化を早く見つけてくれます。「気づいたことは教えてもらえますか」と、最初に頼んでおいてください。
初回は立ち会う
離れて暮らしている場合でも、初回だけは立ち会うことを勧めます。本人の表情、職員の声のかけ方、片づけのていねいさ。どれも書類には出てきません。
入浴は、体を預ける場面です。ここで本人が緊張したままだと、回を重ねても嫌がるようになります。合わないと感じたら、事業所は変えられます。ケアマネジャーに伝えれば、角を立てずに切り替えてもらえます。
家に入れるかどうかを、先に見てもらう
契約してから入らないと分かる、という無駄があります。廊下の幅、段差、玄関、駐車できる場所。
申し込む前に、下見に来てもらってください。 無料で見てくれる事業所がほとんどです。 そこで無理と分かれば、別の手段へ早く切り替えられます。
看護職が、どう関わるか
体調を見る役割の職員が同行します。持病がある人ほど、この点が効きます。
主治医とやり取りしてもらえるか、記録を共有してもらえるかを聞いてください。 皮膚の様子や、体の変化に最初に気づく立場でもあります。気づいたことを伝えてもらう形にする。
曜日と時間の融通
車と職員の組が動く形なので、時間帯の選択肢が限られます。 午前が埋まっていることが多くあります。
家族が立ち会いたいなら、その都合を先に伝えてください。 立ち会いが必要かどうかも事業所によって違います。一人暮らしでも使えるかを確かめる。
本人が嫌がるとき
人前で裸になることに、強い抵抗を示す人がいます。特に異性の職員が関わる場合です。
同性の職員を希望できるかを聞いてください。 応じてもらえる事業所があります。タオルの当て方や、声のかけ方でも変わります。 慣れている職員は、そこを心得ています。
- 週に何回まで頼めますか。
- 制度として回数の上限は決まっていませんが、要介護度ごとの月の上限額の範囲で組むことになるため、実際には週に一回から二回が多くなります。ほかのサービスとの兼ね合いで決まるので、ケアマネジャーに全体の組み立てを見てもらってください。
- 家族が手伝う必要はありますか。
- 入浴そのものは職員が行います。着替えを用意しておくことと、終わったあとの本人の様子を見ることをお願いされる程度です。立ち会えない場合も、着替えを分かる場所に出しておけば進みます。
- 終末期でも頼めますか。
- 主治医の判断のもとで続けられることが多いサービスです。体力に合わせて時間を短くしたり、足だけ湯につける形に切り替えたりしながら続けられます。最後まで湯につかりたいという希望を叶えてこられた方は少なくありません。
訪問入浴介護の定員は、まんなかが35人
当サイトに掲載している訪問入浴介護のうち、定員が分かっているのは357件です。その357件を小さい順に並べると、まんなかに来るのが35人でした。いちばん小さいところで1人、いちばん大きいところで500人と幅があります。
| 定員 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 10人以下 | 88件 | 24.6% |
| 11〜20人 | 45件 | 12.6% |
| 21〜30人 | 38件 | 10.6% |
| 31人以上 | 186件 | 52.1% |
いちばん多いのは31人以上の52.1%です。定員は大きいほどよい、小さいほどよいというものではありません。人数が多ければ行事や設備の幅が出やすく、少なければ職員の目が届きやすい、という違いがあるだけです。見学のときは定員そのものより、「その日に実際に何人来ているか」を聞いてください。定員いっぱいで動いている日と、半分の日とでは、同じ定員でも過ごし方が変わります。
日曜に開いている訪問入浴介護は25.1%
1,527件のうち、日曜に開いているのは383件でした。土曜は995件(65.2%)、祝日は1,411件(92.4%)です。土曜まで開いているところは多い一方で、日曜まで開いているところはぐんと減ります。
平日に働いている家族が付き添える日、あるいは家族が休みで介護を代わりにくい日に使いたいのであれば、この条件で候補はかなり絞られます。曜日は後から変えにくい条件なので、見学の順番を決める前に確かめておくと無駄がありません。当サイトの一覧は市区町村ごとに絞り込めるので、住んでいる地域で何件残るかを先に見てください。
訪問入浴介護を運営しているのは627の法人
1,508件の運営者をたどると、627の法人にたどり着きます。1法人あたり2.4件という計算で、複数の事業所を持つ法人が珍しくないということになります。
同じ法人が近くで複数を運営している場合、空きが出たときに融通が利いたり、別の種類のサービスを同じ法人でまとめられたりすることがあります。一方で、法人が大きいことと、その事業所が自分に合うかどうかは別の話です。運営法人は事業所ページに出しているので、気になったら同じ法人の他の事業所も見てみてください。
なお、公式サイトを届け出ているのは1,323件(86.6%)です。サイトが無い事業所が悪いということではありませんが、事前に様子を知りたいときは、まず電話で聞くことになります。
訪問入浴介護が1件も無い市区町村が1,162ある
全国1,892の市区町村のうち、訪問入浴介護の掲載があるのは730市区町村です。裏を返すと、1,162の市区町村には1件もありません。住んでいる市区町村の中だけで探すと候補が出てこないことがある、ということです。
地元に無いときは、隣の市区町村まで範囲を広げて探すことになります。送迎のあるサービスなら市区町村をまたいで通えることもあるので、まず市区町村の担当課か地域包括支援センターに、どこまで通えるかを聞いてみてください。当サイトの市区町村ページは、掲載が0件のときに近隣の同じサービスを並べます。