地域密着型特養の選び方!小規模ならではの見どころ
小さな特養は、合えば家に近い暮らしができます。その代わり、職員の数が少ないぶん、体制をどう確かめるかが大事になります。見学のときに何を聞けばいいかを説明します。
全国で2,552件、65歳以上1万人あたり0.7件。住んでいる市区町村の中から選ぶことになるので、候補は多くて数か所です。通常の特養と合わせて申し込んでおくのが、待つ時間をいちばん短くする方法になります。
まず、通常の特養と両方に申し込む
定員が二十九人以下なので、空きが出る機会そのものが少なくなります。一か所だけに申し込んで待っていると、何年も動かないということが起こります。
通常の特別養護老人ホームにも並行して申し込んでおいてください。申し込みに費用はかかりませんし、声がかかったときに断ることもできます。断ったことで、その後の順番が不利になることもありません。複数に申し込むのは、ずるいことでも何でもなく、ごく当たり前の進め方です。
職員の体制を、数で確かめる
小さい施設ほど、一人の職員が休んだときの影響が大きくなります。夜勤は何人か。急な休みが出たときにどうするのか。看護職員は何時から何時までいるのか。職員の入れ替わりは激しくないか。この四つを数で聞いてください。
夜勤はユニットごとに一人が基本の形です。その一人が、呼び出しにも、転んだ人への対応にも、トイレの介助にも当たることになります。無理のない人数かどうかは、数を聞けばおおよそ見当がつきます。
医療とのつながり
特別養護老人ホームは、暮らしの場であって病院ではありません。医療がどこまで受けられるかは、協力してくれる医療機関との関係で決まります。
| 聞くこと | 見るところ |
|---|---|
| 協力してくれる医療機関はどこですか | 往診の頻度と、施設からの距離 |
| 夜間に体調が変わったらどうしますか | 看護職員への連絡と、運ぶまでの流れ |
| たんの吸引はできますか | 対応できる職員が何人いるか |
| 入院が長引いたらどうなりますか | 退所になるまでの日数の決まり |
最後の項目は、見落とされがちですが重い問題です。入院が三か月を超えると退所になる決まりの施設が多く、退院しても戻る場所がないという事態が起こります。何日までなら戻れるのかを、契約の前に確かめておいてください。
看取りの考え方
最期まで暮らす場所として選ぶなら、看取りをどれくらい行っているかを聞いてください。年に何人を見送っているか、そのときにどういう体制を取るのか。経験のある施設ほど、具体的に答えてくれます。
小さな施設では、家族が泊まり込める部屋を用意しているところもあります。最期の日々をどう過ごせるかは、あとになって家族の心に長く残ります。聞きにくい話ですが、入る前に聞いておくほうが、いざというときに慌てません。
暮らしぶりを見る
見学のときに見たいのは、設備よりも暮らしの気配です。入居者が起きて過ごす時間があるか。台所が使われていて、食事の香りがするか。散歩や買い物、行事など外に出る機会があるか。入居者の身なりが整っているか。
小規模な施設の良さは、家に近い暮らしができることにあります。洗濯物をたたむ、野菜の下ごしらえを手伝う、といった役割がある施設では、入居者の表情が違います。全員が同じ向きに座ってテレビを見ているだけなら、規模の小ささが生かされていません。
家族との距離
小さい施設ほど、家族との距離が近くなります。面会のしやすさ、行事への参加、普段の様子を知らせてもらえるかを確かめてください。職員の顔と名前が一致するくらいの規模なので、相談もしやすくなります。
通いやすい距離にあることも、長い目で見ると大きな要素です。月に何度も通うことになるので、片道一時間かかる施設は、数年のうちに足が遠のきます。
住民票を移す手続き
地域密着型は、その市区町村に住んでいる人しか入れません。別の市区町村から入るには、先に住民票を移す必要があります。
時期と手順を、市区町村の担当課と施設の両方に確かめてください。介護保険の資格や負担割合の扱いも変わるので、あわせて聞いておきます。手続きの順番を間違えると、入所の日がずれ込むことがあります。
同じ顔ぶれで暮らす、ということ
少人数で過ごすので、合わない人がいると逃げ場がありません。大きな施設のように、別の階へ移ることができません。
見学のときに、居合わせる人の様子を見てください。 本人が居心地よくしていられそうかどうかが、いちばんの材料です。 短時間でも、空気は伝わります。
職員が少ない日の体制
規模が小さいと、一人休んだときの影響が大きくなります。手が回らない時間が出ます。
同じ法人の他の事業所から応援が出せるかを聞いてください。 単独で運営しているところは、そこが弱くなります。夜間の人数も同じです。
運営推進会議の記録を見る
地域の人が参加する会議の記録が残っています。何が話し合われ、どう変えたかが書かれています。
見せてもらえるかを聞いてください。 出せない、記録が薄いところは、形だけになっている可能性があります。分かりやすい判断材料です。
通える距離かどうか
面会に通える距離は、入居後にじわじわ効いてきます。遠いと、足が遠のきます。
やり取りが続いている人ほど、状態が保たれます。 このサイトの市区町村ページで、地域にどんな施設があるかを並べて確かめられます。距離も条件のうちです。
- 見学はできますか。
- できます。小さな施設では、居間で過ごしている様子がそのまま見えます。午後の遅い時間に行くと、取り繕っていない日常の姿が見えます。
- ほかの入居者と合わなかったらどうなりますか。
- 二十九人以下なので、逃げ場は少なくなります。ユニットを替えられるかを聞いておいてください。替えられない施設なら、そのぶん入る前の見学を丁寧にしておく必要があります。
- 要介護1ですが申し込めますか。
- 原則は要介護3以上ですが、認知症の状態や家族の事情によっては特例で入れることがあります。あきらめる前に、市区町村の介護保険担当課に相談してください。
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護の定員は、まんなかが29人
当サイトに掲載している地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護のうち、定員が分かっているのは1,153件です。その1,153件を小さい順に並べると、まんなかに来るのが29人でした。いちばん小さいところで5人、いちばん大きいところで50人と幅があります。
| 定員 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 10人以下 | 28件 | 2.4% |
| 11〜20人 | 211件 | 18.3% |
| 21〜30人 | 909件 | 78.8% |
| 31人以上 | 5件 | 0.4% |
いちばん多いのは21〜30人の78.8%です。定員は大きいほどよい、小さいほどよいというものではありません。人数が多ければ行事や設備の幅が出やすく、少なければ職員の目が届きやすい、という違いがあるだけです。見学のときは定員そのものより、「その日に実際に何人来ているか」を聞いてください。定員いっぱいで動いている日と、半分の日とでは、同じ定員でも過ごし方が変わります。
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護を運営しているのは1,995の法人
2,538件の運営者をたどると、1,995の法人にたどり着きます。1法人あたり1.3件という計算で、ほとんどが1か所だけを運営している法人です。系列で複数を持つ大きな法人は多くありません。
同じ法人が近くで複数を運営している場合、空きが出たときに融通が利いたり、別の種類のサービスを同じ法人でまとめられたりすることがあります。一方で、法人が大きいことと、その事業所が自分に合うかどうかは別の話です。運営法人は事業所ページに出しているので、気になったら同じ法人の他の事業所も見てみてください。
なお、公式サイトを届け出ているのは2,418件(94.7%)です。サイトが無い事業所が悪いということではありませんが、事前に様子を知りたいときは、まず電話で聞くことになります。
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護が1件も無い市区町村が933ある
全国1,892の市区町村のうち、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護の掲載があるのは959市区町村です。裏を返すと、933の市区町村には1件もありません。住んでいる市区町村の中だけで探すと候補が出てこないことがある、ということです。
地元に無いときは、隣の市区町村まで範囲を広げて探すことになります。送迎のあるサービスなら市区町村をまたいで通えることもあるので、まず市区町村の担当課か地域包括支援センターに、どこまで通えるかを聞いてみてください。当サイトの市区町村ページは、掲載が0件のときに近隣の同じサービスを並べます。