老健の選び方!リハビリの中身と退所後の見通しを聞く
老健は、空きがあるかどうかで決めてしまいがちです。けれども、リハビリの中身と、退所したあとをどう考えてくれるかで、三か月後の状態は大きく変わります。入る前に、その二つを聞いてください。
全国に4,075件、65歳以上1万人あたり1.1件あります。通える範囲にいくつか候補が出ることが多いサービスです。そのぶん、リハビリの中身と退所の進め方に事業所ごとの差がはっきり出ます。
リハビリは「週に何回、何分」で聞く
どの施設もリハビリをしていると言います。それだけでは中身が分かりません。週に何回、一回何分、誰が担当するのか。この三つを数で聞いてください。週二回で二十分ずつの施設と、週五回で四十分ずつの施設では、三か月後の歩き方が違ってきます。
担当する職種も確かめてください。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が何人いるのか。個別に見てもらえるのか、全員で行う体操をリハビリと呼んでいるのか。土日はどうなるのか。数字で答えが返ってくる施設は、そこを日々の仕事として意識しています。
「一年間で何人が自宅へ戻りましたか」
この質問への答え方で、施設の姿勢が分かります。老健は本来、病院と自宅のあいだで体を立て直すための場所です。数字で答えられる施設は、そこを目標にして運営しています。
今の薬を、そのまま続けられるか
老健では、入所中の薬代や検査代を施設が負担する仕組みになっています。そのため、高額な薬を使っている人は「うちでは難しい」と断られることがあります。納得のいかない話に聞こえますが、仕組みの問題なので、隠して入っても続きません。今飲んでいる薬の名前を伝えて、相談してください。
| 確かめること | なぜ大事か |
|---|---|
| 今の薬を続けられますか | 高額な薬は施設の負担になり、断られることがある |
| かかりつけの病院に通えますか | 通院できるか、付き添いは誰か |
| 夜間に医師や看護職員はいますか | 状態が変わったときの動き方 |
| 入院が必要になったらどうしますか | 搬送先と、退院後に戻れるかどうか |
退所の話を、どう切り出されるか
老健にはおおむね三か月ごとの判定があります。その節目に、「期限なので出てください」と言われるのか、「そろそろ次を一緒に考えましょう」と声をかけられるのか。同じ制度のもとでも、施設によってまるで違います。
判定は誰がどう行うのか、自宅へ戻る準備を手伝ってもらえるのか、在宅が難しいときに次の施設を一緒に探してもらえるのか。ここを入る前に聞いておくと、三か月後に慌てずに済みます。同じ法人が特別養護老人ホームやグループホームを持っているかどうかも、合わせて聞いておくと見通しが立ちます。
起きて過ごす時間があるか
見学では、部屋の造りよりも人の動きを見てください。昼間に入居者が起きて過ごしているか。食事は食堂でとっているか、部屋のベッドの上か。リハビリの時間以外に、体を動かす機会があるか。
リハビリの時間だけ体を動かして、残りをベッドで過ごしていては、立て直した力がその日のうちに戻ってしまいます。一日の過ごし方そのものがリハビリになっているかどうかを見てください。
家族に、途中経過が届くか
リハビリの経過を家族に知らせてくれるかどうかを聞いてください。三か月後の判定のときに初めて状況を知らされると、受け入れる準備も、次を探す時間も足りません。
月に一度は様子を伝えてもらえる形にしておくと、自宅へ戻れそうなのか、別の場所を探しはじめたほうがいいのかが、早い段階で見えてきます。
先にショートステイで泊まってみる
その施設が短期入所療養介護をしているなら、入所を決める前に何日か泊まってみてください。食事の味、職員の声のかけ方、リハビリの雰囲気は、見学の一時間では分かりません。
泊まったあとで本人が嫌がるようなら、その理由を聞いてください。入所してから同じことが毎日続きます。
どこまで居られるのかを、数字で聞く
在宅へ戻ることを目指す施設ですが、実際にどれくらいの期間で出ることになるかは施設によって違います。
「これまで平均どれくらいで退所していますか」と聞いてください。 家へ戻った人がどれくらいいるかも同じです。 数字で答えられる施設は、そこを意識して運営しています。
リハビリの中身と、頻度
専門職がいることと、実際に見てもらえる時間は別の話です。週に何回、一回何分かで、成果が変わります。
個別に見てもらえる時間を聞いてください。 集団の体操だけになっていないか。見学のときに、訓練の場面を見せてもらう。
対応できる医療の範囲
医療の費用が施設側に含まれる形のため、対応できる薬や処置に幅があります。
いま使っている薬をすべて伝えて、受け入れられるかを確かめてください。 入所してから中止になると、本人に負担がかかります。ここは必ず先に詰める。
家へ戻る支度を、してくれるか
出た後の暮らしを、施設が一緒に考えてくれるかどうかで結果が変わります。訓練だけして帰されると、家で行き詰まります。
家の中を見に来てくれるか、家族へ介助の指導があるか、ケアマネジャーとつないでくれるか。 ここまでやる施設を選んでください。このサイトの市区町村ページで、地域の施設を比べられます。
- 病院に併設された老健のほうが安心ですか。
- 急に体調が変わったときの搬送は速くなります。ただしリハビリの中身は施設ごとの差が大きいので、併設かどうかだけでは決められません。回数と時間を聞いて比べてください。
- 特別養護老人ホームを待つあいだに使えますか。
- 現実にはよく行われています。ただし在宅復帰が目的の施設なので、事情を正直に伝えて、受け入れてもらえるかを相談してください。黙っていると、三か月ごとの判定のたびに気まずくなります。
- 入所を断られました。
- 理由を聞いてください。薬や医療的ケアが理由なら、介護医療院や医療の体制が厚い施設へ相談先を移すことになります。ケアマネジャーか、入院中なら病院の相談窓口に、断られた理由をそのまま伝えてください。
介護老人保健施設の定員は、まんなかが100人
当サイトに掲載している介護老人保健施設のうち、定員が分かっているのは1,664件です。その1,664件を小さい順に並べると、まんなかに来るのが100人でした。いちばん小さいところで1人、いちばん大きいところで298人と幅があります。
| 定員 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 10人以下 | 13件 | 0.8% |
| 11〜20人 | 35件 | 2.1% |
| 21〜30人 | 57件 | 3.4% |
| 31人以上 | 1,559件 | 93.7% |
いちばん多いのは31人以上の93.7%です。定員は大きいほどよい、小さいほどよいというものではありません。人数が多ければ行事や設備の幅が出やすく、少なければ職員の目が届きやすい、という違いがあるだけです。見学のときは定員そのものより、「その日に実際に何人来ているか」を聞いてください。定員いっぱいで動いている日と、半分の日とでは、同じ定員でも過ごし方が変わります。
日曜に開いている介護老人保健施設は6.7%
4,075件のうち、日曜に開いているのは274件でした。土曜は2,668件(65.5%)、祝日は2,714件(66.6%)です。土曜まで開いているところは多い一方で、日曜まで開いているところはぐんと減ります。
平日に働いている家族が付き添える日、あるいは家族が休みで介護を代わりにくい日に使いたいのであれば、この条件で候補はかなり絞られます。曜日は後から変えにくい条件なので、見学の順番を決める前に確かめておくと無駄がありません。当サイトの一覧は市区町村ごとに絞り込めるので、住んでいる地域で何件残るかを先に見てください。
介護老人保健施設を運営しているのは3,006の法人
4,049件の運営者をたどると、3,006の法人にたどり着きます。1法人あたり1.3件という計算で、ほとんどが1か所だけを運営している法人です。系列で複数を持つ大きな法人は多くありません。
同じ法人が近くで複数を運営している場合、空きが出たときに融通が利いたり、別の種類のサービスを同じ法人でまとめられたりすることがあります。一方で、法人が大きいことと、その事業所が自分に合うかどうかは別の話です。運営法人は事業所ページに出しているので、気になったら同じ法人の他の事業所も見てみてください。
なお、公式サイトを届け出ているのは3,872件(95%)です。サイトが無い事業所が悪いということではありませんが、事前に様子を知りたいときは、まず電話で聞くことになります。
介護老人保健施設が1件も無い市区町村が522ある
全国1,892の市区町村のうち、介護老人保健施設の掲載があるのは1,370市区町村です。裏を返すと、522の市区町村には1件もありません。住んでいる市区町村の中だけで探すと候補が出てこないことがある、ということです。
地元に無いときは、隣の市区町村まで範囲を広げて探すことになります。送迎のあるサービスなら市区町村をまたいで通えることもあるので、まず市区町村の担当課か地域包括支援センターに、どこまで通えるかを聞いてみてください。当サイトの市区町村ページは、掲載が0件のときに近隣の同じサービスを並べます。
食事のことをもっと詳しく
高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。