地域密着型特定施設の選び方!小規模ゆえに確かめたい点
小さな介護付きホームでは、職員の顔ぶれがそのまま暮らしの質になります。設備の豪華さを比べても意味がありません。大きな施設とは見るところが違います。
全国で369件しかなく、住んでいる市区町村の施設しか使えません。見つかったら、それが唯一の候補ということも起こります。比べる相手がいないときこそ、確かめる項目を決めてから見学してください。
職員が一人休んだときに、何が起きるか
二十九人以下の施設では、職員が数人休むだけで一日の回り方が変わります。大きな施設なら別のフロアから応援が来ますが、小さな施設にはその余力がありません。
夜勤は何人か、急な休みが出たときにどうするのか。この二つを数で聞いてください。「そのときは何とかします」という答えしか返らないなら、何とかしているのは残った職員です。その負担は、いずれ入居者への関わり方に出ます。
医療とのつながりを、時間で確かめる
協力してくれる医療機関がどこか、往診があるかどうか。そして看護職員が何時から何時までいるのかを聞いてください。「看護師がいます」と書かれていても、日中だけということは珍しくありません。
夜間に体調が悪くなったときに、誰が判断して、どこへ連絡するのか。看取りをした経験があるかどうか。最期まで暮らす場所として考えているなら、ここまで聞いておかないと選べません。
月々の合計を、一行ずつ書き出してもらう
入居前に示されるのは、家賃と管理費と食費だけということがあります。実際には、おむつ代、日用品費、通院の付き添い代、理美容代が積み上がります。
「入居されている方は、月にどれくらい払っておられますか」と聞くのがいちばん早い方法です。一行ずつ書き出した紙をもらってください。口頭の説明だけで契約すると、数か月後に想定していた額と合わなくなります。
出ていくことになるのは、どういうときか
入るときの説明より、出るときの決まりのほうが後で効いてきます。契約書に書いてあることを、自分の言葉で言い直してもらってください。
| 確かめること | 聞き方 |
|---|---|
| 入院したらどうなるか | 「何日入院すると契約が終わりますか」 |
| 医療的ケアの限界 | 「たんの吸引が必要になっても住み続けられますか」 |
| 費用が払えなくなったら | 「滞納した場合の扱いはどうなりますか」 |
| 次の行き先 | 「出ることになったとき、探すのを手伝ってもらえますか」 |
ほかの入居者との相性は、逃げ場がない
二十人ほどで暮らすので、合わない人がいても離れる場所がありません。大きな施設なら別の階へ移るという手もありますが、ここではそれができません。
見学のときは、居間で過ごしている人たちの様子を見てください。会話があるか、全員が黙ってテレビのほうを向いているだけか。本人が入ったときになじめそうかを、その場の空気から感じ取ってください。
住民票を移す手続き
地域密着型は、その市区町村に住んでいる人しか入れません。別の市区町村から入るには、先に住民票を移す必要があります。
時期と手順を、市区町村の担当課と施設の両方に確かめてください。順番を間違えると入居の日がずれ込みます。介護保険の資格や負担割合の扱いも変わるので、あわせて聞いておきます。
一泊してから決める
小さな施設ほど、合うか合わないかがはっきり出ます。見学の一時間で分かるのは造りだけです。一泊でいいので体験入居をさせてもらってください。
見てほしいのは、食事の時間の様子と、夜の静けさです。朝起きたときに本人が何と言うか。そこがいちばん確かな判断の材料になります。
少人数であることの、裏側
合わない人がいても、逃げ場がありません。大きな施設のように、別の階へ移ることができません。
見学のときに、居合わせる人の様子を見てください。 本人が居心地よくしていられそうかどうかが、いちばんの材料です。 短時間でも空気は伝わります。
職員が少ない日の体制
規模が小さいと、一人休んだときの影響が大きくなります。手が回らない時間が出ます。
同じ法人の他の事業所から応援を出せるかを聞いてください。 単独で運営しているところは、そこが弱くなります。夜間の人数も同じです。
運営推進会議の記録を見る
地域の人が参加する会議の記録が残っています。何が話し合われ、どう変えたかが書かれています。
見せてもらえるかを聞いてください。 出せない、記録が薄いところは、形だけになっている可能性があります。分かりやすい判断材料です。
費用の総額と、続けられる年数
介護の費用に加えて、家賃、管理費、食費がかかります。要介護度が上がれば、介護の分も上がります。
要介護度ごとの総額の例を出してもらってください。 年金と貯えで何年もつかを計算する。途中で払えなくなると、また移ることになります。
- 設備が古いのですが大丈夫でしょうか。
- 建物の新しさと暮らしの質は別です。手すりの位置、トイレまでの距離、段差の有無といった、実際に使うところを見てください。
- 経営が続くか心配です。
- 開設から何年経つか、今の入居率はどれくらいかを聞いてください。運営する法人がほかにどんな事業をしているかも参考になります。
- 通常の介護付き有料老人ホームと迷います。
- 設備と選べる幅を取るなら通常の施設、顔ぶれの近さと家庭に近い雰囲気を取るならこちらです。両方を見学して、本人の反応で決めてください。
地域密着型特定施設入居者生活介護の定員は、まんなかが29人
当サイトに掲載している地域密着型特定施設入居者生活介護のうち、定員が分かっているのは195件です。その195件を小さい順に並べると、まんなかに来るのが29人でした。いちばん小さいところで3人、いちばん大きいところで69人と幅があります。
| 定員 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 10人以下 | 8件 | 4.1% |
| 11〜20人 | 47件 | 24.1% |
| 21〜30人 | 139件 | 71.3% |
| 31人以上 | 1件 | 0.5% |
いちばん多いのは21〜30人の71.3%です。定員は大きいほどよい、小さいほどよいというものではありません。人数が多ければ行事や設備の幅が出やすく、少なければ職員の目が届きやすい、という違いがあるだけです。見学のときは定員そのものより、「その日に実際に何人来ているか」を聞いてください。定員いっぱいで動いている日と、半分の日とでは、同じ定員でも過ごし方が変わります。
地域密着型特定施設入居者生活介護を運営しているのは324の法人
359件の運営者をたどると、324の法人にたどり着きます。1法人あたり1.1件という計算で、ほとんどが1か所だけを運営している法人です。系列で複数を持つ大きな法人は多くありません。
同じ法人が近くで複数を運営している場合、空きが出たときに融通が利いたり、別の種類のサービスを同じ法人でまとめられたりすることがあります。一方で、法人が大きいことと、その事業所が自分に合うかどうかは別の話です。運営法人は事業所ページに出しているので、気になったら同じ法人の他の事業所も見てみてください。
なお、公式サイトを届け出ているのは320件(86.7%)です。サイトが無い事業所が悪いということではありませんが、事前に様子を知りたいときは、まず電話で聞くことになります。
地域密着型特定施設入居者生活介護が1件も無い市区町村が1,664ある
全国1,892の市区町村のうち、地域密着型特定施設入居者生活介護の掲載があるのは228市区町村です。裏を返すと、1,664の市区町村には1件もありません。住んでいる市区町村の中だけで探すと候補が出てこないことがある、ということです。
地元に無いときは、隣の市区町村まで範囲を広げて探すことになります。送迎のあるサービスなら市区町村をまたいで通えることもあるので、まず市区町村の担当課か地域包括支援センターに、どこまで通えるかを聞いてみてください。当サイトの市区町村ページは、掲載が0件のときに近隣の同じサービスを並べます。